2Q序盤に千葉の連続得点をストップ、3Q終盤にはオフェンスリバウンドを連取
5月11日に横浜アリーナで行われた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」(以降CS)のファイナル。ワイルドカード上位のアルバルク東京と、東地区トップの千葉ジェッツによる2年連続の顔合わせとなった頂上決戦は、71-67でA東京が制し、2連覇で幕を下ろした。
2点リードで迎えた第3クォーター、A東京は千葉を29-12と突き放し、試合を通じて最大19点ものリードを奪う。だが第4クォーターに千葉が猛反撃を見せ、残り27秒に2点差まで追い上げたものの、最後はアレックス・カークがフリースロー2本を確実に決めて勝負あり。
試合をとおして、千葉が最も多くのリードを奪ったのは6点。それは第1クォーター終盤から第2クォーター序盤にかけて、ギャビン・エドワーズのフリースローを皮切りに、富樫勇樹、田口成浩、ジョシュ・ダンカン、マイケル・パーカーのショットで12-0のランを見せ、第2クォーター残り7分52秒で22-16とした場面だった。
そこで千葉の連続得点にストップをかけたのが小島元基のショットだった。ベースライン右側からプルアップジャンパーを放った小島は「入ると思いました」と明かしたように、手応えありのショットを放り込み、A東京に貴重な2得点をもたらした。その後も田中大貴の3ポイントをアシストすると、残り5分31秒にはペイント内へ入り込んでレイアップも成功し、第2クォーターで4得点をマーク。
A東京がリードを広げた第3クォーター終盤には、田中のミスショットに食らい付き、2本連続でオフェンシブ・リバウンドをもぎ取った。そこからリードを17点へと広げるミルコ・ビエリツァの3ポイントをアシストするなど、ハッスルプレーも光った小島。
2年連続の頂上決戦について「とにかく冷静だった」と開口一番に語った小島
試合後、2本のオフェンシブ・リバウンドについて聞いてみると「(チームメートがショットを)打った場所もそうでしたし、『こっちに飛んで来たら取れるな』って思ってて。なんとか取ることができました」と明かした小島。だが実際のところは「正直、こうやって取る時はあんまないんです。ファイナルでこういうのがあるっていうのは、(自分に)なんかあるのかなぁ、って」と貴重なリバウンドについて振り返った。
昨年のファイナルでも、小島は第3クォーター終盤に3ポイントを放り込み、パーカーからスティールを奪うとそのまま持ち込んでレイアップを決めてリードを2ケタへと広げる活躍で優勝に貢献しており、昨年に続いて今年もコート上で存在感を見せつけた。
2年連続となったファイナルについて、「とにかく冷静だったと思います。かなり冷静で、点差が離れても、その後をイメージできました。本当、それに尽きると思います」と語ると「こうやって優勝できて、本当に最高でした。それしかないです」と満面の笑みを見せた小島。
今季は2月9日の滋賀レイクスターズ戦で右足関節を捻挫し、約1か月の戦線離脱。3月25日には父(基浩さん)が他界するという、つらい時期もあった中、小島はCSの6試合で計10アシストに対してターンオーバーはわずか2本という堅実な働きを見せて優勝に貢献。
優勝決定後、小島は自身のツイッターへ2つのチャンピオントロフィーの絵文字と共に「父ちゃん優勝したで」と綴り、亡き父へ最高の戦績を報告。小島が尊敬してやまない父は、優勝チームの主力として活躍する息子を心底誇りに思っているに違いない。
文=秋山裕之