2018.01.05

チームもポジションも役割も変わった三好南穂「変わった自分を見てもらう大会に」

第3Qだけでチーム最多タイとなる13得点を記録したトヨタ自動車の三好[写真]=山口剛生
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 1月5日、「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド(男女準々決勝〜決勝)が、さいたまスーパーアリーナで行われ、同日の女子準々決勝第2試合では、トヨタ自動車アンテロープスが苦戦を強いられるものの、アイシン・エィ・ダブリュウイングスを75-46と退け、ベスト4へと駒を進めた。

 この試合、ゲーム感が戻らないトヨタ自動車は、前半を32-30のわずか2点差と、アイシンAWの粘り強い試合運びに手を焼いたものの、後半一気に流れを引き寄せて勝負を決めた。試合の後半、ゲームのリズムを引き寄せる一端を担ったのが、この日ベンチからのスタートで、エース長岡萌映子と並んでチーム最多の13得点を挙げた三好南穂(みよし なほ)だ。

 三好は昨季までシャンソン化粧品シャンソンVマジックの司令塔として活躍。リオデジャネイロオリンピックにおいても、吉田亜沙美(JX-ENEOSサンフラワーズ)、町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)に続く第3のポイントガードとししてベスト8入りに貢献し、次世代を担う存在として注目されていた。今季は同じ24歳の長岡が富士通から移籍したのと同様に、シャンソン化粧品からトヨタ自動車へと移籍を果たした。

 前半は得意の3ポイントシュートが不発でリズムに乗ることができなかった三好だが、後半に入ると、ベンチから飛び出し、厳しいディフェンスからスティール。そのまま果敢にドライブを仕掛けて、バスケットカウントを奪うなど、完全に流れをチームに引き寄せた。試合後、取材に応じた三好は「(ドナルド・ベック)コーチから、オフェンスで流れが良くないときに、ディフェンスでプレッシャーかけたりスティールを狙って自分の流れを掴めと言われて、後半はそれを意識しました」と潮目を変えた重要なプレーを振り返ると、指示通りにプレーができて、バスケットカウントとなったときの気持ちを問われ「やった!というよりは、前半うまくできていなかったので、(シュートが)入ってホっとしました。」と苦笑い。続けて「あのシュートが入って、ここからいけるかなという気持ちになった」と語った。

 シャンソン化粧品ではエースガードとして、毎試合ほぼ40分間フル出場を果たし、司令塔としてチームをけん引していた三好。しかし、移籍したトヨタ自動車では役割は一変、ポイントガードとシューティングガードをこなせる戦術眼とシュート力を見込まれ、貴重なコンボガードとして、ベンチから試合の流れを変えるという立場でチームに貢献する。出場時間は多くても20分弱と限られているものの「自分が出してもらえている時間で結果を出すことができるように努力している」と笑顔で語る。

 所属チームも、ポジションも、役割も大きく変わって臨む今大会について、三好は「変わった自分を見てもらう大会にしたいですね」と述べると、準決勝で待ち受ける“女王”JX-ENEOSとの対戦について「相手は何連覇もしているチーム、まずはチャレンジャー精神で立ち向かいます」と決意を表明。さらに「どんどん攻めてアグレッシブにチームを引っ張っていきたい」と力強く語った。

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