2018.01.15

「前に出ることによって、バスケ界に何か還元できる」 栃木ブレックス、渡邉裕規と落合知也が語るNBAとBリーグ

WOWOWのNBA中継に参加した栃木の渡邉(左)と落合(右)[写真提供]=WOWOW
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1月13日にWOWOWにて放送されたゴールデンステート・ウォリアーズ対ミルウォーキー・バックス戦に渡邉裕規落合知也(ともにB.LEAGUE栃木ブレックス)の両選手がゲスト出演しました。両選手はチームメイトらしく息の合ったトークで、今季のNBA、B.LEAGUEのことなどについて話してもらいました。

素材提供:WOWOW

――今日、NBAの解説をしてみてどうでしたか?
渡邉 解説自体は初めてではなかったのですが、WOWOWさんで解説するのは初めてでした。すごくフランクな感じで、番組内にはコーナーもあり、ただ解説するだけでなく楽しめました。落合さんを引き立てることを意識したのですが、うまく引き立てられなくて申し訳なかったと思います(笑)。

落合 本当に楽しい現場でした。もともとNBAが好きなので、それを解説するのは恐縮だったのですが、良い経験になりました。選手だからこそ思うことがあったのですが、うまく伝えられず、その点は反省しています。もう少しできると思うので、次回呼んでいただいた時のために喋りを鍛えておきたいと思います。

渡邉 次回出演する機会があれば、お邪魔にならない程度にやりたいです。今度は1人で出演したいですね(笑)。(落合の)気合いがすごかったです。隣でギラギラしていると自分もギラギラだと思われるので、それは勘弁してもらいたいです。

落合 自分はギラギラしていました。渡邉さんも僕と一緒に出演して楽しんでいたし、いじってくれたので良かったです。

――今日の試合のウォリアーズ対バックスは108対94でウォリアーズが勝利しました。試合の感想はいかがでしたか?
渡邉 面白かったです。ヤニス・アデトクンボ(バックス)とケビン・デュラント(ウォリアーズ)のマッチアップが面白いところだったのでもう少しバチバチしていても良かったとは思いますけど、今日の試合ではウォリアーズの強さが際立ちました。ウォリアーズは昨季王者ですから、レギュラーシーズンで1試合でも勝つというのは難しいですが、(バックスがウォリアーズを倒す)その1試合を見たかったですね。

落合 自分もバックスがウォリアーズを倒してほしいと思って見ていたのですが、やっぱりウォリアーズはステフィン・カリー抜きでもあの強さでしたので脱帽しました。要所でデュラントがシュートを決めることができるのがウォリアーズの強みですね。そこに対してアデトクンボがもっともっといい活躍をできれば彼自身も一皮むけるし、チームももっと上位にいけると思いますので、そこには注目していきたいです。

リーグトップレベルにあるデュラント(右)とアデトクンボ(左)によるマッチアップは、デュラントが制した[写真]=Getty Images

――番組内で渡邉選手がマルコム・ブログドン(バックス)、落合選手がケボン・ルーニー(ウォリアーズ)を注目選手に挙げていました。その理由をお聞かせください。
渡邉 派手なプレーをしないけど、シュートを入れてほしい時に入れていました。それを自分で分かっているのがすごいなと思いました。試合の流れを読む力は凄いです。

落合 派手な選手も好きですけど、チームにはルーニーみたいな泥臭い選手が必要です。ゴールにアタックしたり、リバウンドをフォローするなど、2年目ですがプレー時間をもらって試合に出ていることによって成長していくので、今後が楽しみな選手です。

――NBAの面白さ、魅力を教えてください。
渡邉 バスケットはトランジションのスポーツで展開が変わるし、たとえ20点離されていても逆転できるので、ラスト数秒で試合が決まるというほかのスポーツにない独特の緊張感があります。NBAは特に観客も盛り上がるタイミングが分かっていて、あのような雰囲気は他のスポーツでも日本のバスケットボール界にもないですね。アリーナの一体感は、プレーしている選手は楽しいでしょうね。テレビ観戦も面白いですが、会場にいけばもっと鳥肌が立つような面白さがあると思います。そこが魅力ですね。

落合 昔からNBAを見ていました。デニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)に憧れて背番号91をつけたり、彼の生き様にはリスペクトしています。NBAには、日本にはない派手さがあります。ダンクや見た目など、そういった姿は誰にでも伝わると思います。実際にNBAのアリーナには行ったことはないですが、渡邉選手も言っていたように想像以上のエンターテインメントが詰まっていると思うので、一度は生で見てみたいです。試合以外で楽しませる姿勢はNBAの魅力であり、面白さだと思います。

――今季のNBAで注目しているチームや選手は?
渡邉 チームとしては、ヒューストン・ロケッツです。ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズ以外のチームに勝ってほしいので。この2チームは勝って当たり前の戦力を持っているので、ロケッツあたりが優勝まではいかないまでも、ウエストを勝ち抜いて荒らしてほしいです。選手は、ミロシュ・テオドシッチ(ロサンゼルス・クリッパーズ)に注目しています。真似できないプレーヤーではないと思うので、もう少し見たいですよね。僕らからすると、ダンクは真似できるところではないのですが、テオドシッチが生きる道はそこではないんですよね。親近感とまではいかないですが、盗むところがあると思います。

落合 僕はミーハーなので、キャバリアーズです。レブロン・ジェームズも好きです。今はイースタン3位ですが、アイザイア・トーマスが戻ってきて尻上がりに上がってくると思います。レブロンはプレーオフからしか本気出さないので、その本気モードを注目して見ていきたいです。選手は、ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)です。ポール・ジョージカーメロ・アンソニーとビッグ3を形成していますが、なかなかケミストリーが合わなくて苦しんでいますけど、うまくはまった時はウエストを荒らせると思います。

――参考にしている選手はいますか?
渡邉 なかなか名前を挙げるのは難しいですが、今日の試合のブログドンみたいな選手は大事だと思います。ウェストブルックのような選手は、シュート力などは別として、僕らがどうやっても無理なんですよ。参考にならないと言っても過言ではありません。そうなると、マシュー・デラベドーバ(バックス)のプレーを見たほうが、「NBAでもこのようにすれば生き残れるのか」と参考にはなります。

落合 ザック・ランドルフ(サクラメント・キングス)ですね。同じサウスポーですし、身体能力も身長もそれほど高くないのに、ゴール下でうまくステップを使って決める力と外から決めるシュート力はすごく勉強になります。もちろんすごいスキルなので、簡単に真似することはできませんが、少しでも寄せていこうかなと思っています。チームの汗かき役は好きですね。

――B.LEAGUEについてお聞かせください。栃木はここまで13勝15敗で波に乗り切れていませんが、今シーズンここまで振り返ってみていかがですか?
渡邉 僕はまだ数試合しか出ておらず、ヘッドコーチも変わっていますが、今は皆、プレー時間が偏らずに試合に出ています。『継続して自分たちがやり続ける』と言うのは簡単ですが、実行するのは難しいので、それをどれだけ徹底できるかが大事だと思います。

落合 40分間どのメンバーが出ても同じレベルでやり、やることを明確にしていくことで勝ち星が増えていくと思います。チームは、控えもすばらしい選手がそろっているので、これから上昇していくチャンスはあります。

――ご自身、またチームの目標を教えてください。
渡邉 個人の目標は、徐々にコンディションを戻して、自分らしさを出せるようにすることです。途中で出場することも多いですし、チームが窮地の時に救えるような活躍をしたいです。チームとしては、チャンピオンシップが見えそうで見えていないので、まずは勝ち越して東地区のチームに勝っていかないとチャンピオンシップが見えてきません。余計な星を落とさずに、チャンピオンシップを見ずに目の前の一戦を勝ち続けていった結果として、チャンピオンシップが見えてきたというふうにしないといけないと思います。

落合 いつどんな時でも、出場した時はチームに足りないエナジーをすぐに出せるように準備しておかないといけないと思っています。チームとしては、一戦一戦に集中して取り組んでいきたいです。

――2シーズン目を迎えるB.LEAGUEですが、盛り上がりなど昨年と違うと感じることなどありますか?
渡邉 昨年もお客さんが入っていましたが、今年は優勝した影響もあり期待感があるのは会場にいて感じます。あとは、落合さんのテレビ出演欲が止まらないので、誰かに止めてほしいですね(笑)。どうにか顔を売ろうと思っていますから。

落合 そうなんですよ。自分を2文字で表すと“強欲”です(笑)。ただやっているだけではダメなので、前に出ることによって、バスケ界に何か還元できるのではないかと考えています。選手全員がそういう意識を持って取り組めば、もっともっと盛り上がっていくと思います。

――会場まで見に来てくれるファンの方に自分のどんなところ(プレー)を見てほしいですか?
渡邉 スタッツに表れないものですが、試合に出た時に雰囲気を変えるところです。自分が出た時に、システムではなく雰囲気が変わったなと思われるように、存在感を出していきたいです。

落合 僕はエリート街道を走っていたわけではなくストリート出身なのですが、そういった選手がトップリーグで活躍できるところを見せたいです。自分より身長が大きい外国籍選手であったり、自分よりバスケがうまい選手とマッチアップすることが多いので、そのような選手を倒した時の快感をお客さんと共有したいです。

――最後にファンへメッセージをお願いします。
渡邉 僕たちの解説で満足してもらえたか分かりませんが、B.LEAGUEの選手が解説に呼ばれることは有難いことですし、知名度の普及につながると思うので、NBAファンの方もバスケ好きとして一緒に盛り上げていただけると僕らもプレーしていて気持ちいいです。どんどん盛り上げていきたいという気持ちにもなるので、一緒に日本のバスケットボール界を盛り上げていきましょう。

落合 NBAだけでなく、B.LEAGUEもそうなのですが、僕の場合は3×3も一緒に盛り上げていければ日本のバスケットボールの底上げにもつながると思うので、ぜひ一緒に盛り上げていきたいと思います。

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