2019.04.06

経験豊富なチームの要が語った滋賀レイクスターズがB1残留に向けて必要なこと

滋賀に新風を吹き込んだヘンリー・ウォーカー(写真右)とアレン・ダーラム(写真左) [写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 “B1残留”が至上命題の状況である滋賀レイクスターズ。前日のオーバータイムでの劇的勝利から迎えた3月31日の大阪エヴェッサ戦では、その大阪のスカウティングに見事ハマってしまい、特に後半は攻守でなかなかリズムをつかめず敗戦。関西ダービーで2連勝を果たせず、チャンスでもあったB1残留プレーオフ圏内からの脱出を果たせなかった。

 それでも彼らが残した3月の成績は6勝6敗、ここにきて一気にペースを上げてきている。昨シーズンは最終戦でB1残留を見事に果たすなど過去2シーズンで残した終盤戦の驚異的な成績は、Bリーグファンの記憶にもしっかりと残っているであろう。今シーズンもその予感を感じさせるような戦い振りを見せている。

 滋賀は1月末から2月にあった代表戦によるリーグ中断の時に外国籍選手の入れ替えという大きな賭けに出た。新たに加入したヘンリー・ウォーカーはNBAで4シーズン過ごした経験を持ち、シーズン開幕前にFIBAアジアチャンピオンズカップで活躍を見せたアレン・ダーラム。この2人に共通しているのは“For the Team”の精神でチームを勝利に導く仕事をしているということだ。そしてチームでのコミュニケーションを重視し、チームを大きく変えたと言っていい。彼らの加入で3月の成績が残せたと言っても過言ではない。

ダーラムが加入後、チームの勝率はアップ [写真]=鳴神富一

 その効果をショーン・デニスヘッドコーチはこう語ってくれた。

「彼らが加入してから3月に12試合戦って6勝6敗と成績のうえでも巻き返しを図れました。先日の富山戦ではリーグレコードに並ぶのではないかという大敗を喫しましたが、それ以外は得点が必要な時にスコアをしてくれたり、オフェンスではチームでボールが回るようになりました。そして、楽しんでプレーするというポジティブなエナジーをこの2人はチームに対して与えてくれています。加えて2人とも性格も含めて人間としても非常に良い選手なのでチームとしては上向きになっていると思っています」

 様々なポジティブな効果をチームにもたらせている2人はチームの現状をしっかりと理解しながら、何をすべきであるかを把握している。そのうえで残留に向けて何が必要なのか、率直に聞いてみた。

 ウォーカーは3つのポイントを挙げた。

「1つ目は運が必要です。B1残留に向けて現時点では他のチームが負けるなど様々な状況で決まってくる部分があります。2つ目がスピリット、どんなこと事があったとしても自分たちの戦い方を遂行し続けなければなりません。今日の試合の中でも相手がスコアを重ねた時に、これがこの世の終わりだというような仕草や表情になってしまう選手がいたと思っています。相手が勢いづくような時間があったとしても、全力で戦い続けてさえいれば必ずモメンタムや勢いが自分たちの方にも戻ってくるのが、バスケットの中では必ずあります。辛抱強く戦い続けなければなりません。最後は恐れずに戦い続けることが必要だと感じました。今日の試合の中でコートに立った時に、シュートをミスしてしまったらどうしようとかネガティブな気持ちになってプレーしているような選手もいたように感じました。そうではなくて自分がやってやるというようなポジティブな気持ちで臨んで、恐れずにプレーすることが我々には必要だと思っています」

2人の新外国籍選手はプレーだけでなく、ポジティブな気持ちももたらした(写真はウォーカー) [写真]=鳴神富一

 一方のダーラムは「自信を持ってプレーをすること。我々が加入後、いいバスケットができているので、今やっているゲームプランを遂行することにフォーカスをして、どんな状況であっても同じプレーするのが大切です。いいディフェンスができるし、しっかりとスコアを伸ばすのも証明してこられたので。ここから問題になるのはそれを40分間継続して、最後まで出し続けられることですね」と答えてくれた。

 デニスHCも「もっと楽しんでやろう、そんなにストレスを感じずにプレッシャーを自分たちに与えずに、もっとポジティブにやっていくことが必要だ」と、先週の練習中、日本人選手に伝えたという。チームをけん引するヘッドコーチ、両額国籍選手が共通して語った必要なことを実行していけば、再び最後に笑顔でシーズンを終えられる。チーム一丸になって取り組んでいるスローガン、『発揮せよ、残留力』をコート上で発揮すべき時が来た。

写真・文=鳴神富一