10月2日から開幕するBリーグ。B1に所属するクラブは昨シーズンの18から2つ増えて20となり、それにともなって東西2地区制へと変更となった。また、ベンチ入りできる外国籍選手が2選手から3選手になるというルール変更が行われたため、開幕5年目を迎えるBリーグでの戦い方は、大きく変化すると想定される。そこで、バスケットボールキングでは、B1全20チームのヘッドコーチにインタビューを行い、今シーズンの戦い方や目標などを聞いた。
第13回は、昨シーズンBリーグ発足後初の勝ち越しを記録するなど躍進を遂げた滋賀レイクスターズのショーン・デニスHC。今シーズンはメンバーが大きく変わった中で、どのような戦いを披露するのか。
インタビュー・文=岡本 亮
取材日=2020年8月18日
――まずは昨シーズンの戦いを振り返ってください。
デニス 私が滋賀に来た1年目と昨シーズンを比べても、何か特別な違いがあったわけではありません。私が来てからチームにウィニングカルチャーを身に着けさせ、コート以外での行動すべてでプロフェッショナルな振る舞いを求めるなど、全てを含めてウィニングカルチャーを植えつけたことが良い形で出たシーズンだったと思います。
――昨シーズンはそれまでとは違い、強豪と呼ばれるチーム相手にも粘り強く戦えるようになりました。それは選手にプロフェッショナルな意識が芽生えたからですか?
デニス それもありますが、選手が自分のプレーに自信を持つようになったのも要因の一つです。その時々の判断に自信を持ってプレーすることができたと思います。また、昨シーズンはベテランと若手が良い形にミックスされたチームで、それがチームとして良いケミストリーを生み、結果につながったと思います。個人的にはリーグでナンバーワンのチームバスケットができていたのではないかと感じています。
――しかし、今シーズンも引き続き在籍している選手は4人だけ。戦い方も大きく変化せざるを得ないと思いますが、今シーズンを戦うにあたりどのような狙いを持って補強をしましたか?
デニス 日本人選手に関しては、良いカルチャー作りができている中で、それを引き続きできるような高いモチベーションを持った選手に狙いを定めました。外国籍選手については、彼らがメインにならないように日本人選手とともに戦える選手、そして3年間作り上げたシステムに合う選手を探し、リード&リアクト(ディフェンスの状況に応じて動きを決めるオフェンスシステムのこと)ができる賢い選手をリクルートする形になりました。
良い形のバスケットができるようになれば、勝利も自然とついてくるはず
――ガードやウイングの外国籍選手の補強が目立ちましたが、1~3番ポジションでアドバンテージを取ることを狙っての補強でしょうか?
デニス それもありますが、システムに一番合う選手のリクルートした結果、こうなりました。サイズは少し小さくなりますが、しっかりボールハンドルのできるジョナサン・オクテウス選手とジョーダン・ハミルトン選手、そしてサイズのあるアンガス・ブラント選手が入ったことによって、いろいろな形で器用にプレーするスタイルが生まれると思います。
――昨シーズン、スリーポイントシュートの1試合平均試投数がリーグ2位でした。その部分については今シーズンも引き続き重要視していこうと考えていますか?
デニス チームのシステムとしてファイブアウトにもフォーカスしているので、そこは変わらずやっていきたいと思っています。スリーポイントを打つことでスペースを広げられますし、オクテウス選手とハミルトン選手はそのスペースを突けます。広がったスペースがチームの大きな助けになると思うので、引き続き準備していきたいと考えています。
――では、今シーズンの目標を教えてください。
デニス 私は20年コーチをやってきましたが、シーズンに入る前のアプローチを変えたことはありません。「何勝しないといけない」という数字の部分で目標は立てないようにしています。目標の立て方はいつも一緒で、「毎回の練習、試合で前回より上達しているかどうか」。シーズン中でも毎回上達できていれば、そこに勝率が着いてくると思うので、しっかりと成長して終われるようにしたいです。
昨シーズン、年が明けてから最終戦となったアルバルク東京戦を迎えるまで11勝2敗でした。これも年が明ける前に目標を立てたわけではなく、一つひとつの試合に目標を立てて、それをクリアしていく中で自然と勝利が着いてきました。それと同じで今年も数字の目標は立てず、試合に向けての目標を立て続け、クリアできるようになったら結果はついてくると思います。
――最後に、ブースターへメッセージをお願いします。
デニス 今シーズンも一緒に戦えるのを楽しみにしてほしいですし、アップダウンがあると思いますが、旅を一緒に楽しんでほしいです。昨シーズンもそうでしたが、良い形のバスケットができるようになれば、勝利も自然とついてくるはず。滋賀県全体で戦うことを楽しみにしています。引き続き熱い声援をお願いします。