2020.11.15

アルバルク東京が本来の戦いぶりを取り戻しチームの危機から脱出

危機感を持って臨んだ三遠戦、エースの田中大貴はチームをけん引した [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

今季最多得点でエースが奮闘

「らしくない」という表現が思わず口をついてしまう試合内容だった。リードを維持できない…。先にミスが出てしまう…。ホームコートで滋賀レイクスターズ新潟アルビレックスBBに連敗。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは試合が終わった直後、2試合とも選手、スタッフをコートに残して短いミーティングを行った。それほど、チームには危機という2文字が漂っていた。

 迎えた三遠ネオフェニックスとの一戦、三遠はネナド・ミリェノヴィッチが故障のため離脱中とはいえ、カイル・ハントステヴァン・イェロヴァツの両外国籍選手に加え、アジア枠のサーディ・ラベナもチームに合流。今回のA東京戦でも虎視眈々と勝利を狙っていたに違いない。しかし、そんな嫌なムードを吹き払うようにティップオフ直後から積極的にリングにアタックしたのが田中大貴だ。

 田中は試合後のメディア対応の冒頭、「今日の試合は自分自身の役割である、積極的にアタックしてオフェンス面でチームを引っ張っていくことを意識してプレーすることができたので良かったと思います」と語ったが、まさにそれスタッツに反映されている。

 第1クォーター、アルバルクのエースは3ポイント1本を含む2本のシュートと2本のフリースローを全て決め、チームのスタートダッシュの燃料となった。その後も得点だけでなく、ディフェンスでも献身的にチームを支える。終わってみれば、得点はチーム最多の21を挙げ、同時に今季最高の数字をたたき出していた。

「スタッフ、選手でミーティングをして、チームとして、そして個々が何をしなければいけないかをもっと明確にして試合に臨んだ」と田中が振り返ったこの試合、ルカHCは「試合開始から大貴は集中していた。本人もこの連敗で歯がゆい思いをしたと思うが、勝利に貢献するパフォーマンスを見せてくれた。今後もリーダーとしてチームを引っ張ってほしい」と指揮官も納得のパフォーマンスを発揮した。

 それでも連敗してしまっては連敗の悪夢から脱出することはできない。翌15日の試合では、試合内容も問わることになるだろう。

故障から本格復帰のケビン・ジョーンズは2戦とも安定したプレーをゴール下で見せた [写真]=B.LEAGUE

真価が問われる第2戦に指揮官は試合内容にも及第点

 迎えた第2戦、連敗を何としても防ぎたい三遠は第1クォーターからハント、イェロヴァツにボールを集め、互角の展開を見せる。しかし、第2クォーターになると、竹内譲次小島元基の3ポイントなどでリードを広げていった。

 この日のA東京は自分たちのペースで試合することを徹底。元来の堅いディフェンスを軸に三遠のオフェンスを抑えるとともに、攻撃ではアレックス・カークの17点を筆頭にケビン・ジョーンズが14得点、小島元基が11得点を挙げるなど、バランスの良いボールシェアを見せ、久しぶりの完勝と言える内容だった。

 第2戦の後、記者会見に臨んだルカHCは「この1週間のホームの5ゲームで2連敗した滋賀戦、新潟戦を引きずることなく、昨日の初戦を勝ち連敗を脱出して、良い形でアルバルクらしく 2 連勝することができました」と笑顔で答える。「今日の試合の目標は、ディフェンス面が中心となり、前回のようにオフェンスリバウンドを取られる、そしてターンオーバーしないということを目標としていました。また、オフェンス面に関しては、相手のディフェンスをしっかり読み、冷静な状況判断が求められましたが、そこもしっかりと対応できたと思います」と手ごたえを感じたようだ。

 2週間のバイウィークを経て、A東京は12月2日の水曜日に富山グラウジーズ、そしてその週末には琉球ゴールデンキングスとの連戦をすべてアウェイで迎えることになっている。ともに今シーズン、ここまでそれぞれの持ち味を生かしたバスケで好調を維持している難敵だ。

 ルカHCは「代表組(竹内譲次田中大貴安藤誓哉)はチームから離れるが、この2週間でチームの立て直しと、その後の富山、琉球戦に向けた準備を進めたい」と語った。新外国籍選手の合流の遅れ、主力の故障などで東地区4位(11月15日現在)に沈むチャンピオンチームが反転攻勢をもくろむ。

ルカHCはバイウィークでチームの本格的な立て直しを図る [写真]=B.LEAGUE


文=入江美紀雄