2023.10.01

【B1クラブ展望/信州】戦力大幅入れ替えのシーズン…鉄壁のディフェンスは絶対堅持

大幅な戦力入れ替わりの中、勝久マイケルHCがどんなチームを作るのかに注目 [写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 信州ブレイブウォリアーズは一昨シーズンに勝率5割を超え、昨シーズンはさらなる飛躍が期待された。しかし、シーズンを通して故障者の続出に悩まされ、終盤には昨シーズンのB1で唯一となる試合消滅も発生。満身創痍の中、29勝30敗とわずか1つの負け越しだったことは評価していいだろう。

 引退したアンソニー・マクヘンリーを筆頭に、主軸を張った選手が複数抜け、今シーズンは8人が新加入となった。経験の浅い若手も多く、彼らをチームのシステムに馴染ませ、連係を構築するには一定の時間を要するだろう。

 心強いのは、かつてチームのB1昇格に大きく貢献した石川海斗が戻ってきたことだ。加えて、昨シーズン、秋田ノーザンハピネッツでチーム得点王だったスタントン・キッドは、信州でもオフェンスのファーストオプションになる。また、将来のフィリピン代表の主力と目されるロン・ジェイ・アバリエントスは、ガードとして信州のオフェンスの幅を広げる存在になるはずだ。

 B2時代から3ポイントシュートを多投していた信州は、一昨シーズンに減少した1試合の平均試投数が昨シーズンは約30本まで戻った。ややサイズダウンした印象のある今シーズンは、その戦略がより徹底されることになりそうだ。

 1試合平均失点がリーグで3番目に少なかった鉄壁のディフェンスも含め、三ツ井利也栗原ルイスウェイン・マーシャルといった既存の選手が、信州らしい戦い方を示していく必要がある。厳しい展開も予想されるが我慢強く戦い、試合を重ねながら成長する姿を見せなければならない。

■KEY PLAYER/PG #5 石川海斗

復帰の石川にはゲームを支配するプレーに期待 [写真]=B.LEAGUE


 B2を代表するガードとして強いインパクトを残してきた石川だが、昨シーズンは仙台89ERSに在籍したBリーグ初年度の2016-17シーズン以来6シーズンぶりにB1でプレー。ただ、自身の成績にはおそらく納得していないだろう。パスの正確さや勝負どころでの決定力は、過去の在籍時に証明済み。石川が試合を支配し得るかどうかが、今シーズンの信州の命運を左右する。

文=吉川哲彦

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