2023.09.30

【B1クラブ展望/富山】日本をはじめとする代表経験者がロスター入り…逆襲を期すシーズンに

新戦力を加えて、今季の戦いに臨む富山 [写真]=B.LEAGUE
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 シーズン途中での指揮官交代や外国籍選手の故障などに苦しみ、わずか星1つの差という首の皮一枚でB1残留を果たした富山グラウジーズ。高岡大輔ヘッドコーチ代行が正式にHCに就任し、B1地区優勝経験のある庄司和広アソシエイトコーチと昨季越谷アルファーズを躍進させた桜木ジェイアールスーパーバイジングコーチを迎え入れて逆襲を期す。

 選手ではクロアチア代表の経験を持ち、昨季滋賀レイクスでプレーしたイヴァン・ブバのほか、今夏のFIBAワールドカップ2023にフィリピン代表として出場したエージェー・エドゥを獲得。イギリス代表経験者のマイルズ・ヘソンと併せ、大舞台を踏んできた選手が揃った。

 さらには、昨季バンビシャス奈良でプレーした宇都直輝と開幕直前に契約。過去6シーズンにわたってチームを引っ張ったフランチャイズスターを呼び戻す格好となった。日本をはじめ、代表選手として世界の舞台で戦った彼らの経験値がチームに良い影響をもたらすことを期待したい。

 また、マーフィージュニアトロイ米山ジャバ偉生といった将来性のある若手も加入。この2人の成長次第で、チームの行く末も変わっていくだろう。喜志永修斗がインジュアリーリストに登録され、開幕に間に合わないのは痛手だが、早ければ第3節に復帰可能。昨季後半に加わり、すぐにスターターに定着したその力は不可欠だ。

 全体的には選手層が厚いとは言えず、厳しい戦いも予想される。必要なのは、シーズンを通しての成長。全ての経験を糧にすることができるかどうかが問われるシーズンになる。

■KEY PLAYER/SF #0 小野龍猛

キャリア十分、小野のオールラウンドなプレーがチームをけん引 [写真]=B.LEAGUE


 B1残留争いの中で苦しい戦いが続いた昨シーズン後半、小野龍猛は持ち前のパスの上手さを活かし、3月以降の22試合に限ると1試合平均で4.9アシストの高水準。シーズン前半よりもその貢献度は高かった。

 従来の外角シュートの精度を取り戻せば、対戦相手にとってはかなり厄介な存在。千葉ジェッツ時代に天皇杯3連覇を経験した35歳は、今シーズンも貴重な戦力として、捲土重来を期す富山のキーマンとなるに違いない。

文=吉川哲彦

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