2023.10.01

【B1注目新人選手5選】すでに代表、クラブで本領発揮…新人王争いをリードするスター候補生

今シーズン、注目の新人5選手をピックアップ[写真]=B.LEAGUE、伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

Bリーグ2023−24シーズンが10月5日に開幕する。Bリーグ誕生から8年。多くの選手が飛躍を遂げてきた。今回はB1で注目されるルーキー5人をピックアップ。新人賞争いにも絡んでくるであろう注目の選手を紹介する。

文=小沼克年

金近廉千葉ジェッツ

日本代表の活躍を経て、今季、Bリーグデビューを果たす金近廉 [写真]=伊藤大允


 19歳でトム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表に初招集された期待の新星。今年2月にA代表デビューを飾ると、いきなり20得点をマークした。高校時代から世代別の日本代表として国際舞台を経験してきた金近廉は、2022‐23シーズン終盤の4月に練習生として千葉ジェッツに加入。東海大学を退学し、プロの道へ進む決断をした。

 196センチながら3ポイントシュートを最も得意とする彼の魅力は、攻守において内外でプレーできる万能性だ。千葉Jでは今季から本格デビューとなるが、プレシーズンではすでに先発起用されており、ジョン・パトリックHCも「まだまだ若いけどプロでも通用するフィジカルとディフェンス力があります」とポテンシャルを評価。即戦力として大きな期待がかかる。

松崎裕樹横浜ビー・コルセアーズ

さらに上を目指すチームにあって松崎裕樹も成長したい [写真]=B.LEAGUE


 横浜ビー・コルセアーズから2年連続の新人賞プレーヤーが誕生するかどうかは、この男に託された。松崎裕樹は福岡第一高校と東海大学で日本一を経験し、ともにキャプテンとしてもチームをけん引。力強いドライブに3ポイントシュート、さらには守備力と機動力にも優れるオールラウンダーだ。

 昨シーズンの横浜BCは、史上初となる天皇杯とチャンピオンシップのベスト4に入った。2023年1月からチームに加わった松崎は合計35試合に出場したが、「あまり貢献できない悔しさがありました」と振り返る。より強い気持ちを持って臨む新たなシーズン、背番号24は「オフェンスではトランジションとペイントアタック、ディフェンスではフィジカルを生かして相手のエースガードを抑えたい」と闘志を燃やす。

渡部琉仙台89ERS

持ち前のシュート力を活かして主軸を担う渡部琉 [写真]=B.LEAGUE


 非凡な得点能力でスコアを量産する193センチのサウスポーは、仙台89ESの浮沈を担うキーマンの1人だ。今季がルーキーイヤーながら、渡部琉秋田ノーザンハピネッツ広島ドラゴンフライズ、そして仙台の3チームでプレーした経験を持つ。中央大学時代には関東1部リーグの得点王に輝き、2年次のオフシーズンからは特別指定選手としてプロの舞台で揉まれてきた。

 仙台では得点に加え粘り強いディフェンスも求められるが、開幕前に行われた東北カップでは「琉がしっかり結果を出してくれたので大きな収穫でした」と、指揮を執る藤田弘輝HCはルーキーを称えた。昨季の仙台は得点力不足が課題となったため、渡部には20分前後のプレータイムの中で平均2ケタ得点を挙げる活躍が求められそうだ。

高島紳司宇都宮ブレックス

攻撃だけででなく、防御でも進歩を見せる高島紳司 [写真]=B.LEAGUE


 191センチのシューティングガードは、昨季から宇都宮ブレックスに欠かせない戦力として活躍。高島紳司は大東文化大学2年次から特別指定選手として大阪エヴェッサでプレーしており、キャリアハイの28得点は2021-22シーズンにたたき出した記録だ。

 持ち味は高い打点から放たれるジャンプシュート。宇都宮でプレーした昨季はラスト4試合で先発出場を果たすと、3ポイントを軸に3試合連続で2ケタ得点をマークした。長いウイングスパンと脚力を生かした守備でも存在感を発揮する同選手は「第19回アジア競技大会」の日本代表にも選出。しかし、直前のケガにより出場辞退を余儀なくされ、まずは復帰が待たれる。コートに戻った際には、大阪時代のチームメイト、D.J・ニュービルとのコンビプレーにも注目だ。

小川麻斗千葉ジェッツ

すでにローテーションの一角を占めるが、小川麻斗はもっと出場時間が多くなりそう [写真]=B.LEAGUE


 小川麻斗が好ディフェンスを披露すれば、チームが勢いに乗り、船橋アリーナが沸く。176センチのポイントガードは、昨年12月にプロ選手として千葉Jに途中加入。シーズン終盤になるにつれてめきめきと頭角を現し、ケガ人が相次いだチームの危機を救ってみせた。

 中学、高校、大学では高いシュート力と多彩なフィニッシュを武器とする攻撃型ガードとして名を馳せたが、プロ入り後はディフェンス力が開花。その要因は、コーチ陣だけでなく同ポジションの大倉颯太西村文男からの助言も大きく影響しているようだ。今季もプレータイムを確保することからのスタートとなる。しかし小川は、「ルーキーらしくアグレッシブにプレーして流れを変える」と与えられた任務を遂行し、さらなる飛躍を目指す。

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