2024.06.24
9月中旬に開催された『第11回 TOHOKU CUP 2023 in FUKUSHIMA(東北カップ)』で、仙台89ERSは2度目の優勝を飾った。開幕前の「腕試し」と位置づけられる大会とはいえ、1つのタイトルを獲得できたことに変わりない。
「今季は昨シーズンよりもステップアップをして、もっと勝ちに貪欲になろうとずっとチームで話しています。プレシーズンでしたけど優勝したいという思いがありましたし、優勝できたことはクラブにとっても非常に大きな意味があると思います」
優勝を噛みしめた藤田弘輝ヘッドコーチは、就任1年目で仙台をB1復帰へ導き、今季で3季目。昨シーズンは強固なディフェンスを武器に1試合平均77.9失点をマークした。しかし、成績は19勝41敗で東地区8位。平均得点が「73.2」とB1で最も少ない数字だった。
藤田HCは「オフェンスはもっとアグレッシブかつアップテンポな展開を意識したい」と語り、特に日本人選手がコンスタントに得点を取ることが重要だと奮起を促す。そのため、岡田泰希、渡辺翔太、渡部琉が攻撃力アップの鍵を握る存在と言えるだろう。
新たに加わった3選手の中で、最も注目すべきはヤンジェミン。アジア特別枠で加入した201センチの万能プレーヤーは「インサイドだけじゃなく、自分よりも小さくて速い選手も守れる」と、自身の強みを最大限に生かして新たな風を吹き込む。
チームは2023-24シーズンも『Grind!』のスローガンを掲げ、より粘り強く、より泥臭く闘いB1での巻き返しを図る。東北カップ優勝を自信に変え、まだ見ぬ景色にたどり着けるか。
■KEY PLAYER/SG #91 片岡大晴
ベンチでは人一倍大きなリアクションで仲間のプレーに喜び、いざコートに立てば苦しい場面でチームを救う。「まずは30勝」と目標を口にした“ソルジャー”は、今季も唯一無二の大黒柱として仙台を支える。
文=小沼克年
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