2024.09.20
【B1クラブ展望/三河】目指すはスピード感のあるバスケ…新指揮官が押し進める「カイゼン」
28年間チームを指揮し、“常勝軍団“を築き上げてきた鈴木貴美一ヘッドコーチが退任し、変革へ踏み出したシーホース三河。未来を託すのは、NBAワシントン・ウィザーズで10年以上指導者としての経験を積んだライアン・リッチマンHCだ。34歳の若き指揮官は「NBA、Bリーグ、それぞれの優れた部分を柔軟に融合させて、最終的なゴールである優勝に到達したい」と意気込む。
新戦力は、リッチマンHCとはメリーランド大学時代から10年以上の付き合いという元NBAプレーヤーのジェイク・レイマン、韓国代表のイデソン、2018−19シーズンの3ポイント王・石井講祐ら実力者ぞろい。プレシーズンゲーム、天皇杯2次ラウンドと、スターターは新加入組を中心に編成され、新生三河を印象づけた。
一方で、天皇杯では長野誠史や角野亮伍がディフェンスからチームを勢いづけて存在感を発揮した。在籍5シーズン目となる長野は「HCに初めて会ったときに、『ハッスルする選手が好きだ』と言われてうれしかった。毎日新しいことに取り組んでいて新鮮で楽しい。後輩も増えてきたので、メンタルの部分でチームを支えていきたい」とチームの変化に刺激を受けながら “先輩”としてチームを引っ張る覚悟だ。
リッチマンHCが目指すのは、「素早い判断でボールを動かし、スピード感のあるバスケット」。ここまでの4試合を見ただけでも、昨シーズンに比べて切り替えのスピードは圧倒的に速くなっている。まだ課題は多く、スタイルの構築にはある程度時間を要するだろう。「カイゼン」マインドを持って、「選手、スタッフ、ファン・ブースター、シーホースに関わる全員でチームを強くしていきたい」(リッチマンHC)。
オフェンス能力が高い上に、「ディフェンスでチームにエナジーを送り込むことができるのも自分の特徴。スコアでもゲームメイクでもディフェンスでも、HCの求めるプレーに徹したい」というチームプレーヤーでもある。攻守両面で三河の要になりそうだ。
文=山田智子
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