2024.02.16
Bリーグの進捗とともに盛り上がりを見せている『B.LEAGUE #LIVE 2022(Bライブ)』はリーグ公認のファンタジー(空想)スポーツゲーム。実在のB1・B2の選手が残すスタッツがそのまま反映されるので、Bリーグを現実と空想の両方で楽しめるということで注目をさらに集めている。このBライブをさらに面白くするにはリーグの状況を確認することも大切。バスケットボールキングでは毎月リーグの状況を勝敗にスタッツの要素を加えてお伝えしていく。Bライブ攻略の参考になれば幸甚だ。
文=吉川哲彦
B2はすでにプレーオフが最終盤、B1もレギュラーシーズンを終えていよいよチャンピオンシップ(以下CS)が幕を開けた。どのチームがサバイバルを制するのか、まさにクライマックスを迎えようとしている局面を前に、ポストシーズンに進むチームを中心に、レギュラーシーズン最終盤の選手の活躍度を振り返り、ファン・ブースターが短期決戦の大勝負を楽しむ一助になれば幸いである。
まず取り上げなければならないのはやはり、シーズン最高勝率の記録を更新した千葉ジェッツだ。B1第30節から最終節までを対象としたファンタジーポイント(以下FP)のランキングでは、ジョン・ムーニーが7位にランクイン。レギュラーシーズンは1試合平均14.5得点12.2リバウンド2.4アシスト1.1スティール0.9ブロックという成績で終えたが、上記期間では14.2得点12.6リバウンド2.7アシスト1.3スティール1.3ブロックと同等の数字。ムーニーの安定したパフォーマンスが千葉Jの強さの一端を担っていることは間違いなく、54試合の出場で得点とリバウンドのダブルダブルが30度を数えたことはその証明だ。
ムーニーは、ターンオーバーの少なさも大きな武器となっている。上記期間での1試合平均0.8個という数字は極めて少なく、FPランキング上位者の中では3位のジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)の0.6個に次ぐもの。上位30人で1試合平均が1個を切っているのはこの2人だけだが、レギュラーシーズン全体では1.2個のクーリーに対し、ムーニーはこれに関してもほぼ同等。ミスをしないという点でも安定しているムーニーの貢献度は計り知れない。
選手個人にフォーカスすると、FPランキングで常に上位に君臨し続けたペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)の名前はやはり挙げておく必要があるだろう。第30~36節のランキングでもビュフォードは50.8ポイントで1位。しかも、2位のディージェイ・ニュービル(大阪エヴェッサ)に11.1ポイントの差をつける圧倒的な数字だった。最終的に得点王のタイトルを獲得し、リバウンドは8位、アシストは2位、スティールは5位、ブロックは9位と全てベスト10入り。今シーズンだけでトリプルダブルを10度記録するなど、Bリーグ史上最強オールラウンダーの称号はもはや揺るぎないものになったと言っていいだろう。
河村の名前が出たところで、CS初出場の横浜BCにも触れておきたい。シーズン最終盤は河村がケガで一時戦線離脱したこともあり、白星が伸びない苦しい状況になったが、その間にクローズアップされたのが河村と同じポイントガードの森井健太だ。スターター起用が多かった昨シーズンはアシストランキングで8位に入ったが、ベンチスタートに回った今シーズンもアシストは多く、河村が欠場を強いられた終盤はスターターで出場時間が伸び、さらにアシストを増やした。第30~36節は1試合平均6.6アシストで、FPランキングも98位(日本人選手では24位)に食い込むなど、チームに不可欠な存在であることを改めて示した格好だ。
もう1人、CSでもその働きが欠かせないのがデビン・オリバー。開幕当初から活躍を見せていたが、シーズンが進むにつれてオールラウンダーぶりに磨きがかかり、第30~36節のFPは39.4ポイントでランキング4位にまで躍進した。全60試合にスターター出場したレギュラーシーズンは1試合平均13.4得点、9.2リバウンド、3.8アシストという成績。リバウンドで10位に入ったほか、1.5スティールも7位とシーズンを通して攻守にフル回転だった。CSは第6シードの位置づけで、同じ中地区でしのぎを削った川崎ブレイブサンダースに挑む立場。下剋上を目指す横浜BCの戦いぶりは、河村以外の選手の働きも決して見逃してはならない。
レギュラーシーズンは1試合平均13.9得点と必ずしも高い数字ではなかったが、B2第30~32節は6試合で107得点を稼ぎ、平均17.8得点。リバウンドやアシストなども安定し、同期間のFPは33.8ポイントでB2の5位につけた。スペインで始まったプロキャリア1年目から5シーズン連続でリーグ優勝を経験し、オランダ時代はプレーオフMVPも受賞。そして、昨シーズンはCSで得点を量産し、第7シードだった宇都宮ブレックスを優勝にまで導いている。どのチームも優勝させてきたフィーラーは、今回のプレーオフの最重要人物ともいえる。
その佐賀がファイナルまで勝ち進んだ場合、対戦するのはアルティーリ千葉と長崎ヴェルカのいずれか。仮に長崎であった場合は、九州の2チームがB1に昇格するということになる。長崎がそれを果たせるかどうかという点では、パブロ・アギラールの存在が大きなカギを握ることになるだろう。B1川崎から大きな期待を背負って移籍してきたスペイン代表経験者だが、シーズン前半にケガを負ってインジュアリーリストに登録。結局、レギュラーシーズンは35試合出場にとどまった。アギラールが欠場した試合は15勝10敗、復帰後は22勝6敗。長崎が西地区優勝を逃したのは、アギラールの不在が大きく影響している。
元来スコアラーではないアギラールはシーズンの1試合平均得点が11.0点。今回のFPランキングもB2で21位と高いわけではない。しかしながら、「怪盗パブロ」の異名を取るだけあって、同期間は1試合平均2.2スティール。ディフェンスで明確に数字を残せる貴重な選手であり、このプレーオフでも大きな見どころの一つ。B1への最短昇格がかかる長崎において、アギラールはどのような爪痕を残すだろうか。
シーズン途中に香川ファイブアローズから期限付移籍で加わったマイルズ・ヘソンは、残留に大きく貢献した。イギリス代表でキャプテンも務める確かな実力の持ち主であり、3月の富山移籍後は22試合に出場して1試合平均22.9得点。特に最終盤はスイッチが入り、第30~36節のFPは37.7ポイントで、ランキング10位。勝てば残留が決まる最終戦は40得点を叩き出してみせた。外国籍選手の相次ぐ故障に見舞われて危機に陥った富山を、見事に救う活躍だった。
もう1人名前を挙げるとすれば、スタッツ面で貢献度を増したという点で小野龍猛だ。シーズントータルの成績は1試合平均5.5得点、2.5リバウンド、3.1アシストだったが、シーズン後半はアシスト数が飛躍的に上昇し、第30~36節は5.1アシスト。FPランキングでも79位、日本人選手では11位にランクインした。4月16日の試合では4シーズンぶりとなる1試合10アシストをマークするなど、非凡なパスセンスでチャンスメーカーの役割を担った小野は、最終戦も8アシストで勝利に貢献している。
他にも喜志永修斗が同期間で1試合平均5.9アシストを挙げ、FPランキングでは小野を上回る70位。ノヴァー・ガドソンも軒並み数字を伸ばして26位に入った。苦しいシーズンを送った中でも、終盤に選手個々の持ち味が発揮され、それがスタッツに反映されたことは、富山の残留の大きな要因となった。
Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレーヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。
プレーヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレーヤーを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。
このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。
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