2023.03.03
Bリーグ開幕とともに本格的にスタートした『B.LEAGUE #LIVE 2022(Bライブ)』はリーグ公認のファンタジー(空想)スポーツゲーム。実在のB1・B2の選手が残すスタッツがそのまま反映されるので、Bリーグを現実と空想の両方で楽しめるということで注目をさらに集めている。このBライブをさらに面白くするにはリーグの状況を確認することも大切。バスケットボールキングでは毎月リーグの状況を勝敗にスタッツの要素を加えてお伝えしていく。Bライブ攻略の参考になれば幸甚だ。
文=吉川哲彦
Bリーグ2022-23シーズンも佳境に入り、ポストシーズンを見据えた争いも過熱。それと同時に、ファンとしては個人タイトル争いも気になってくるところであり、特にBリーグ公認のファンタジーゲーム「B.LEAGUE LIVE2022」(以下Bライブ)をプレーするユーザーにとっては、選手個々のスタッツから目を離すことはできない。今回はまず、B1第18節から第22節にあたる期間の選手個々の活躍度に着目していきたい。
Bライブで大きな意味を持つのが、選手の総合的な活躍度を表す数値であるファンタジーポイント(以下FP)だ。同期間のFPで1位となったペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)と2位のマット・ボンズ(長崎ヴェルカ)に関しては、オールラウンダーとしての安定感でリーグ内でも突出した存在であることは議論の余地もない。一方、これまで必ず上位に入っていたレイナルド・ガルシア(佐賀バルーナーズ)は、故障のためインジュアリーリストに登録。佐賀はB2西地区優勝マジックが既に点灯しているが、ここからが正念場だ。FP6位のブライス・ジョンソン(富山グラウジーズ)も同様にインジュアリーリストに入り、B1残留がかかる富山も台所事情は苦しい。
今回FPランキングトップ10に入った選手の中で、今後注目が集まるのは4位のジョシュ・ホーキンソン(信州ブレイブウォリアーズ)だ。故障者が続出し、フルロスターを揃えられないチーム事情の中、ホーキンソンの欠場は1試合のみ。開幕からのトータルで1試合平均18.3得点9.2リバウンドという数字も十分に立派だが、第18節以降に限れば1試合平均37.3分というリーグ最長の出場時間で同22.9得点。出場時間が増えている分アシストも増え、欠かすことのできない存在となっている。
信州は苦しい状況に置かれながらも、川崎ブレイブサンダースや名古屋ダイヤモンドドルフィンズといった強豪に土をつけ、リーグ全体のトップを走る千葉ジェッツとも好ゲームを展開。2月6日にはホーキンソンの日本への帰化が認められ、早速日本代表戦にも出場して大活躍を披露した。チャンピオンシップ進出圏内の中地区2位以内を目指し、川崎と横浜ビー・コルセアーズの争いに割って入りたい信州にとっては、この上ない追い風となる。
開幕当初から混戦模様となっているB1西地区は、第22節を終えてもなお、上位4チームが4ゲーム差の間にひしめく状況。4チームのいずれが地区優勝してもおかしくなく、ワイルドカードの2枠も西地区で独占する可能性が濃厚になってきているが、その中で第18節以降の9試合を8勝1敗とギアを上げてきた感があるのが琉球ゴールデンキングスだ。
琉球からもう1人、今村佳太の名も挙げておきたい。同期間のFPポイントは全体の104位、日本人選手に限れば8位の23.3ポイント。1試合平均12.1得点もさることながら、同4.3アシストと同1.4スティールもFPポイントの高さにつながっている。今シーズン全体の1試合平均出場時間は26.5分で、チームの顔である岸本隆一の25.2分を上回る長さ。新潟から移籍して3シーズン目、琉球で本格的に開花したその才能は今もまだ右肩上がりの成長曲線を描いている。
琉球とは対照的に、西地区にはB1残留に向けて崖っぷちに立たされるチームもある。滋賀レイクスの現在の順位はリーグ全体の23位で、2枠あるB2降格圏内。昨シーズンから続く失点の多さに加え、外国籍選手の戦線離脱などもあって不安定な戦いを強いられているが、2度にわたってヘッドコーチ交代の断を下すなど、状況の打開を図ってきた。
その打開策の一つが、外国籍選手の入れ替えだ。一昨シーズンに滋賀でプレーしたジョーダン・ハミルトンを再び迎え入れた際は大きな期待を寄せられたものの、状況が好転しないとみるや、今度はそのハミルトンを西宮ストークスに期限付移籍させ、代わってその西宮からデクアン・ジョーンズを期限付移籍で獲得。実質的な交換トレードという、Bリーグでは前例の少ない策に打って出た。
もちろん、チームがジョーンズにかける期待は大きい。今シーズンの西宮では1試合平均16.0得点で、チームのトップスコアラー。過去2シーズンは20点台に乗せている上、1ケタ得点に終わった試合も少ないとあって、滋賀でも任されるのは得点源としての役割ということになる。
滋賀に移籍したジョーンズは既に4試合に出場し、1試合平均20.5得点。西宮で30パーセントを切っていた3ポイントシュート成功率は、その4試合で24本放って12本成功と、50パーセントまで上昇している。何より、加入して2試合目となる2月5日の三遠戦では19得点に加えて3スティールも記録し、チームの連敗を18でストップさせる立役者となった。
ややアウトサイド寄りのプレースタイルで、外国籍選手としてはリバウンドが少ないタイプだが、2月11日の川崎戦では10リバウンドをマーク。滋賀はリーグ21位というディフェンスリバウンドの少なさも失点増の一因となっており、ジョーンズがディフェンス面でもスタッツを残すとB1残留を引き寄せることができるだろう。
B2でも、バンビシャス奈良が降格の瀬戸際に立たされている。bjリーグ時代を含めても勝ち越したシーズンがなく、Bリーグ初年度の2016-17シーズンの24勝36敗が最高成績という奈良は、昨シーズンついに勝率が2割を切り、順位はリーグ全体の下から2番目。今シーズンも勝ち星は伸びず、B2第21節の時点ではリーグ全体の12位でB3降格圏外だったが、その後香川ファイブアローズに勝率で並ばれ、予断を許さない状況が続く。
そこで必要とされるのが宇都直輝の力だ。B2では第17節から第21節にあたる1月12日から2月12日までのFPは、全体78位の27.1ポイント。これは、B2の日本人選手では1位、B1を含めても河村勇輝と齋藤拓実に続く3位という好成績であり、日本代表経験者の面目躍如と言える働きを披露している。1月に入ってからはリバウンドが増加傾向にあり、この先も数字を伸ばしそうな気配を漂わせる。
宇都はかつて富山で残留プレーオフを2度経験。いずれもチームをB1に残留させ、その翌シーズンにはチャンピオンシップにまで駒を進めた経験の持ち主だ。這い上がる力を持つ宇都の存在は、今の奈良には欠かすことができない。
Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレーヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。
プレーヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレーヤーを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。
このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。
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