2022.12.26

仙台大明成のウィリアムス ショーン莉音…脇役から主役となり、“真の大黒柱”になれるか

仙台大明成のウィリアムス ショーン莉音は18得点13リバウンドをマーク [写真]=バスケットボールキング
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 来年、仙台大学附属明成高校(宮城県)を引っ張るのはウィリアムス ショーン莉音(2年)だ。かつては八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が身につけた重みある「8番」を背負う199センチの2年生センターは、言葉に力を込めてウインターカップを後にした。

「来年からは自分がくよくよしたり、相手から逃げたりしていたらチーム全体の士気が下がってしまうので、常に強い気持ちでプレーしなきゃいけないです。もっと得点にも絡んで、リバウンドでももっとレベルを上げて、全ての面において自分が責任を負うつもりでやっていきたいと思います」

 12月25日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子2回戦、仙台大明成の相手は第2シードの開志国際高校(新潟県)。トーナメント序盤で今夏のインターハイ準優勝校と顔を合わせることとなったが、対する仙台大明成もウインターカップで6回の優勝を誇る強豪校である。しかし、大会前から好ゲームが期待されていた注目ガードは、65−82という点差で決着がついた。

 この日のウィリアムスは、第1クォーターからオフェンスリバウンドからの得点を奪い8得点を挙げるなど、試合を通して18得点13リバウンドをマーク。チームは立ち上がりから得点源の八重樫ショーン龍(3年)が徹底マークに遭って後手に回ったが、第3クォーターに巻き返して一時1ケタ点差まで迫る。

「八重樫さんがフェイスガードされていたので、自分がどんどん走ってチームに流れを持ってこようと思っていました」と、この追い上げにはウィリアムスが前半よりも積極性を見せたことも大きかった。それでも、開志国際の方が総合力で上回り、仙台大明成は2回戦敗退。指揮官の佐藤久夫コーチは試合後、「底力の差」と潔く負けを認めた。

「自分はリバウンドやルーズボールの泥臭いプレー、留学生に対してのディフェンスを頑張らないといけない」と自身の役目を口にするウィリアムスは、1年生の頃から仙台大明成のゴール下を支えてきた。しかし、これまではあくまで先輩たちを支える立場であり、今年も「内藤(晴樹)さんや八重樫さん、片原(飛斗)さんがもっと楽にプレーできるように自分が支えていきたい」と3年生に対しての思いを明かしていた。

 もう3年生はいない。これからは頼れる脇役ではなく、チームのカギを握る主役、つまりは“真の大黒柱”になるべく、ウィリアムスは前に進む。

「自分たちが望んでいた景色を見ることはできなかったですけど、チームとしては今年で一番いい試合ができたと思います。来年は絶対に違う景色を見て終わりたいです」

取材・文=小沼克年

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