2023.04.04

「埼玉カップ2023」男子は美濃加茂が優勝…総合力の高さを見せつけ今後へ弾み

94−78で正智深谷を下し、優勝した美濃加茂 [写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

男子は予選から好ゲームの連続

 4月1日と2日の2日間、埼玉県にて「埼玉カップ2023」が開催。男子の部は深谷ビッグタートルを舞台に熱戦を繰り広げた。

 同大会は地元の正智深谷高校、埼玉県立伊奈学園総合高校、U18埼玉選抜の3チームのほか、全国常連校の仙台大学附属明成高校(宮城県)や中部大学第一高校(愛知県)、船橋市立船橋高校(千葉県)などが参加。大会初日は計12チームが3つのグループに分かれて予選リーグを行い、その結果によって2日目の順位決定トーナメントの組み合わせを決定。なお、大会方式により、埼玉県勢は勝敗にかかわらず正智深谷が1位~4位トーナメント、伊奈学園が5位~8位、県選抜が9~12位トーナメントへ進出した。

 予選は各チーム1日3試合、8分×4クォーター制で実施。チームによっては2試合連続のスケジュールが組まれ、指揮官たちは様々なメンバーをコートに送り出して強化を図っていた。男子は予選から1点を争う試合も多く、育英高校(兵庫県)vs中部大第一が60−59、土浦日本大学高校(茨城県)vs仙台大明成が59−58で決着。市立船橋と育英の一戦は32分間で勝敗が決まらず、61−61の同点で試合を終えた。

 予選リーグの結果、1位~4位トーナメントには正智深谷、育英、帝京長岡高校(新潟県)、美濃加茂高校(岐阜県)という顔ぶれに。大会2日目からは10分×4クォーター制となり、準決勝では美濃加茂が帝京長岡に81−54、正智深谷が78−67で育英を退けて決勝進出を決めた。

78−67で育英を退け、決勝進出を決めた正智深谷 [写真]=小沼克年

総合力の高さが光った美濃加茂が優勝

 迎えた優勝決定戦、まずは美濃加茂が第1クォーターで29−14と幸先の良いスタートを切った。しかし、次の10分間は正智深谷が堅い守りから得意の速い展開を繰り出して反撃。前半で点差を詰め、美濃加茂5点リードで試合を折り返した。

 後半の立ち上がりもペースを握られた美濃加茂は、第3クォーター序盤には正智深谷にリードを奪われる苦しい展開。しかし、粘り強くリングにアタックし続けてファウルを誘うと、正智深谷の主力メンバーをファウルトラブルに追い込んで流れを食い止める。同クォーター終盤には与えられたフリースローをものにして再逆転に成功し、65−59で最終クォーターを迎えた。

 第4クォーターは再び美濃加茂が主導権を握った。開始早々、正智深谷が立て続けにターンオーバーを犯すと、美濃加茂はエブナ フェイバー(2年)のゴール下や千本宙輝(3年)のジャンプショットなどで連続得点をマーク。ファウルアウトにより相手に2人目の退場者も出て、2ケタリードを奪った。その後はキャプテンの北條彪之介(3年)と203センチのフェイバーを中心にたたみかけ、試合終了残り3分を切った頃にはリードを15点に拡大。勝負の10分間で29−19と流れをつかみ、最終スコア94−78で優勝を決めた。

「この2日間でいろんな選手を使うことができました。その中で良い部分も悪い部分も出たので、これからはそこに焦点を当てていけたらなと思います」。美濃加茂の林龍幸コーチは今大会をそう振り返り、今後のチームづくりを見据えた。

 今年の美濃加茂は、昨年から主力を務める北條とフェイバーに加え、遠山広貴(3年)のフロントコート陣がチームの軸を担う。「この3人はほぼ固定だと思いますが、ガード陣もいろいろなバリエーションができそうです。今回も土浦日大さんのゾーンディフェンスに対して上手く攻めることができましたし(70−48で勝利)、遠山のシュートも安定してきました。相手から見てもなかなか守りづらいチームになると思います」と、指揮官にとっても大きな手応えをつかんだ大会となった。

昨年から主軸として活躍する美濃加茂のフェイバー [写真]=小沼克年

 背番号4を背負う北條は、決勝戦直後は笑顔を見せながらもやや疲れた様子で取材に応じてくれた。「埼玉カップの前にも大会があったので、結構疲労感がありました。でも、チームで声を出し合ってうまく乗り切れたかなと。決勝戦も点数を詰められた時にコート上で話し合って修正できましたし、そのおかげで徐々にプレーも良くなっていったと思います」。

 個人としては「もっと得点に絡みたいという意識が強くなった」と明かした北條。「試合でも周りが見えてきてアシストが出せるようになったんですけど、もっと幅広くプレーできるオールラウンダーになりたい」と続け、さらなるレベルアップへ意気込んだ。

「幅広くプレーできるオールラウンダーになりたい」と話す美濃加茂のキャプテン北條 [写真]=小沼克年

 なお、決勝戦と同時刻に行われた5位決定戦では、土浦日大と宇都宮工業高校(栃木県)が激突。2月の「令和4年度 第33回関東高等学校バスケットボール新人大会」では大会方式によりそろって1位となったチーム同士の対決は、高確率でシュートを決め続けた土浦日大が106−69で宇都宮工業に快勝した。

男子最終結果
優勝:美濃加茂高校(岐阜県)
準優勝:正智深谷高校(埼玉県)
3位:帝京長岡高校(新潟県)
4位:育英高校(群馬県)
5位:土浦日本大学高校(茨城県)
6位:宇都宮工業高校(栃木県)
7位:埼玉県立伊奈学園総合高校(埼玉県)
8位:中部大学第一高校(愛知県)
9位:U18埼玉選抜
10位:仙台大学附属明成高校(宮城県)
11位:船橋市立船橋高校(千葉県)
12位:徳島県立城東高校(徳島県)

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