2023.11.20

仙台大明成の3本柱を担う佐藤晴…U18日清食品トップリーグを通じ「プレーの幅が広がった」

仙台大明成・佐藤の武器は多彩な攻撃 [写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 11月19日、「U18日清食品トップリーグ2023」は男子最終日を迎え、国立代々木競技場 第二体育館にて4試合が行われた。

 第1試合に登場したのは仙台大学附属明成高校(宮城県)。勝ち点8で並ぶ北陸高校(福井県)との一戦に臨んだ。

 試合は、序盤にプレスディフェンスが効いた仙台大附明成が先行。下級生も含めて選手を積極的に起用し、攻防においてエネルギーあふれるプレーを見せる。後半こそ互角の勝負となったものの、前半で奪ったリードを守り切った仙台大明成が73ー56で勝利した。

「ミーティングで自分たちのやるべきディフェンス、リバウンド、ルーズボールを徹底しようという話をしていました。試合のはじめはそれができていたと思いますが、第2、3クォーターでメンバーチェンジを重ねたり、点差を開けたりしたときに気が緩んで徹底できなかったことが多かったので、これからは40分間、誰が出ても徹底できるように頑張っていきたいです」と、試合を振り返ったのは3年生の佐藤晴。スターターとして22︎分54秒出場し、18︎得点6リバウンド4アシスト3スティールとチームを引っ張った。

 自らのやるべきことについて試合前もベンチに下がったときも考えていたという佐藤晴は、自身の出来について、「今日のプレーでは1対1でゴール下に持っていったり、空いたときは自信を持ってシュートを打ったりすることを心掛けていました。でも、ファウルを受けながらレイアップに持っていったときのフィッシュがまだまだだなと思ったので、そこはしっかりウインターカップまでに改善していきたいです」という。

 同じく3年生の村忠俊、ウィリアムス ショーン莉音とともにチームの3本柱を担う存在。試合では3ポイントシュートやドライブなど多彩な攻撃を仕掛けるが、そのポイントゲッターについて、指揮を執る畠山俊樹ヘッドコーチは、このように語った。

「インターハイまではインサイド中心のプレーだったのですが、8月から正式に(指導が)僕にバトンタッチとなって、晴をポイントガードとして2カ月間使ってみました。そこでプレーの幅も広がりましたし、(今は)アウトサイドシュートも安定してきていると思います。その中で次はどうやってドライブをしていくのか、ペイントエリアに入っていくのか。その後のキックアウトなど状況判断などはこれからだと思いますが、高校だけではなく、その先でも学んでいければもっともっと面白い選手になるのではないかと思います」

 これは188センチで強さと器用さを兼ね備える佐藤晴の将来性を考えてのことで、「大型ポイントガードとして、少し鵤(誠司/宇都宮ブレックス)に似てるかなと思います」と、畠山HCは、青山学院大学時代の後輩の名前を出して、さらに期待を込めた。

仙台大明成の畠山俊樹HCは「少し鵤(誠司/宇都宮ブレックス)に似てるかな」と期待を込める [写真]=伊藤大允


 実際、「U18日清食品トップリーグ2023」を通して、「留学生や強豪校と対戦する機会は少ないので、その中で自分のプレーの幅を広げることにフォーカスして挑みました」という佐藤晴も、「シュート確率も上がってきましたし、ボール運びなど、カードをやることで少しできることもあって、成長しているのかなと思います」と、手応えを感じているようだ。

 トップリーグを5位で終えた仙台大明成。

「強豪校と戦っていく中で見つかった課題や逆に良かったところをミーティングで話をして、練習で改善してきました。最終日まで全員で徹底して練習できたので、(最終戦の)北陸戦でできたディフェンス、リバウンド、ルーズボールの徹底というのを練習でもしっかり出して、ウインターカップにつなげていきたいです」と、佐藤晴。

 12月23日からはいよいよウインターカップが始まる。高校最後の大一番に向け、佐藤晴は、「3年生最後の大会ということで自分たちには『次』はないですし、絶対に負けたくないと思っています。その負けたくない気持ちを存分に出して、明成らしいバスケットをしっかりしていきたです」と、意気込みを語った。

文=田島早苗

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