2023.12.28

ウインターカップ連覇の京都精華学園「皆ちょっと焦っていた」窮地で光ったキャプテンの背中

京都精華学園をウインターカップ2連覇へと導いた堀内桜花[写真]=伊藤大允
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 12月28日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子決勝が東京体育館で行われ、京都精華学園高校(京都府)が63-59で岐阜女子高校(岐阜県)を下し、2年連続の夏冬連覇を果たした。

 前半は身長169センチの“司令塔”堀内桜花と、188センチのディマロ ジェシカを中心とした試合運びで、ジリジリとリードを広げて36-24で前半終了。しかし、ハーフタイム明けの第3クォーター、岐阜女子の守備網にはまったジェシカがターンオーバーを連発するなど、一気に0-10のランで詰め寄られ、最大16点リードが1ポゼッション差となる大激戦に。最終第4クォーターも必死に逃げる苦しい展開だったが、要所でキャプテンの堀内が流れを引き戻す好プレーを披露。土壇場で踏ん張り、2年連続の夏冬連覇を果たした。

 優勝記者会見に出席した堀内は、「連覇と3冠がかかっている中で、今日は全員が(重圧に)打ち克って連覇できた。国体まで入れれば高校4冠という凄いことを達成できたことはうれしいです。色々な人に感謝したいです」と喜びを口にした。

 キャプテンを務める堀内について、山本綱義コーチは「言葉で引っ張っていくことは少ないけれども、とにかくプレーで、気持ちを持って皆を引っ張っていくタイプ」と、そのキャプテンシーを評価。決勝では13得点10リバウンド8アシストという数字以外の部分でも、チームを引っ張る姿を見せた。

 相手エースの絈野夏海に3ポイントを決められ、53-52に迫られた第4クォーター残り6分45秒、「追い上げられて、皆ちょっと焦っていた。ここで流れを持っていかれてしまうとズルズルいかれてしまう」と、すぐさま鋭いドライブで敵陣を切り裂き貴重なバスケット・カウント。さらに「リバウンドとかルーズボールは気持ちでいける。そこは自分が誰よりも気持ちの部分をプレーでみせて、チームを鼓舞しようと思っていました」と、懸命にコートを駆け抜けた。勝負がかかるラスト10分間は、いずれもチーム最多となる5得点3アシスト4リバウンドをマーク。苦しい時間帯で、あらためてその存在感の大きさを示した。

 鋭いドライブからのアシストで度々観衆を沸かせるなど、オフェンス面での持ち味は大会を通して存分に発揮していたが、「どうカバーが出てくるか、自分で行くのか、フィニッシュの部分はこのウインターカップの期間中も学ばせてもらいました」とも語り、世代最高峰の戦いを通して、さらなる成長へのきっかけもつかんだ。

 将来的な海外挑戦への思いも口にした堀内の次なる舞台は、アーリーエントリーで加入するWリーグ・シャンソン化粧品シャンソンVマジック。まずは国内リーグで世代屈指のポテンシャルを開花させる。

■ウインターカップ2023・女子決勝
<東京体育館・カップヌードルコート>
京都精華学園 63-59 岐阜女子
京都精華|18|18|13|14|=63
岐阜女子|13|11|23|12|=59

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