2023.05.01
8月開幕の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」に出場する日本代表。チームを率いるトム・ホーバスHCは、本番で果たしてどのようなメンバーを選ぶのか。バスケットボールキングでは、日本代表を継続的に取材するライター陣に依頼し、本大会出場メンバー12名を予想してもらった。今回紹介するのは、スポーツライター大島和人氏の予想メンバーだ。
《大島和人氏が予想するロスター12名》
PG:富樫勇樹、河村勇輝、テーブス海
SG/SF:渡邊雄太、馬場雄大、富永啓生、比江島慎、金近蓮
PF/C:ジョシュ・ホーキンソン、八村塁、渡邉飛勇、井上宗一郎
“ダブル・ユウキ”がやはりオフェンスの軸になるはずだ。いずれも速いテンポを作れて、自ら決められる、なおかつ勝負どころで正しい“選択”ができる司令塔だ。サイズ面に守備面の懸念を持つファンもいるだろうが、トム・ホーバスがそれを埋め合わせる戦術を持っていることは2021年夏に女子日本代表が証明した通りだ。
焦点は「3人目」のチョイスで、Bリーグを見れば安藤誓哉(島根)や齋藤拓実(名古屋D)、藤井祐眞(川崎)と素晴らしい日本人PGがいる。ただここまでのチーム作りを見ると、そこはテーブス海だろう。富樫、河村にないサイズを持ち、アスリート性が高く、ドライブとパスから得点を演出できる彼には「流れを変える」役割を期待したい。
渡邊雄太、馬場雄大はいずれもハードワーカーで、ボールをプッシュして攻撃の流れを作れる選手。外からのシュート力も高く、当然ながら「個」で国内組を上回るもの持ち、スタイル的にもフィットするはずだ。
富永啓生のシュート力も、当然ながら代表には欠かせない。比江島慎は外国チーム相手のドライブ、得点力が期待できる。
大学中退と千葉ジェッツ入りの決まった金近蓮だが、2月20日のワールドカップ予選・イラン戦で見せた20得点の衝撃的な代表デビューだけで“当確”を打ちたいインパクトだった。当面はスポットシューターの役割だろうが、彼のアスリート性やスキルからは、オールラウンダーとして代表を背負うポテンシャルを感じる。未来への投資という意味でも、彼の代表入りを推したい。
ほかにもホーバスジャパンで主力級のプレータイムを得てきた吉井裕鷹、西田優大、須田侑太郎と人材は豊富。渡邊、馬場、富永の「海外組」が加わるなかで、選択の難しいポジションだった。
PF/C:ジョシュ・ホーキンソン、八村塁、渡邉飛勇、井上宗一郎
「帰化選手」はやはりジョシュ・ホーキンソンだろう。Bリーグを見ればニック・ファジーカスは今シーズンも驚異的な得点力を見せているし、ライアン・ロシターやギャビン・エドワーズも実力者だ。ただ「30分以上コートに立ちつつハードワークができる」ことへの期待や、リムプロテクションはホーキンソンがベストだろう。ピック&ロールからのダイブ、ポップや、周りを活かすアシスト力など、周りとの関係性も2月のアジア予選で証明済みだ。
八村塁は「入れるかどうか」でなく「入ってくれるかどうか」がカギだろう。心身の疲労を取りつつ、合宿で連係を上げる作業の両立は確かに難しい。ただバスケを愛する者として八村のいる“完全体”のホーバスジャパンを沖縄(とマニラ)でぜひ見たい。
渡邉飛勇はリムプロテクション、リバウンドで、帰化選手が不在の時間帯もしっかり「つなげる」選手だ。4人目は張本天傑、井上宗一郎の比較だが、井上はチームや「ストレッチ4」の役割への適応をすでに示している。
文=大島和人
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