2024.02.26

日本代表の信念とプライドを胸に…五輪を見据える河村勇輝は反省「点差をつけて勝てる相手だった」

アジアカップ予選で2試合連続先発出場した日本代表の河村勇輝[写真]=野口岳彦
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 2月25日、バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング26位)は有明コロシアムで開催された「FIBAアジアカップ2025予選Window1」で中国代表(同29位)に76-73で勝利。FIBA管轄の主要国際大会では1936年のベルリンオリンピック以来88年ぶりとなる対中国の白星をつかんだ。

 この試合のスターターを務めた河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)は、27分20秒の出場で12得点4リバウンド3アシスト。立ち上がりから追いかける展開となってしまったこともあり、「個人的にはすごく反省点が残る試合になったかなと思います。もっともっとやっていかなくてはいけないと思ったし、スタートとしてランされたのはポイントガードの責任かなと思います」と、自身のパフォーマンスに悔しさを滲ませた。

 第1クォーター序盤、日本は馬場雄大の3ポイントで好スタートを切ったかに思われたが、その後は立て続けにファウルを誘いながらもスコアを伸ばすことができず、3-12とされた同残り5分で河村はベンチへ下がった。「どちらかというと自分たちのオフェンスの流れは作れていた」と序盤の戦況を振り返りつつ、「パリオリンピックで戦う相手は簡単じゃないので。スタートから常に自分たちが流れを持っていくような形を作らなければいけないと思います」と、今夏に控える大舞台も見据えながら、不本意な試合運びとなったことを反省した。それでも、前半を38-38の同点で折り返すと、後半はゲームハイの24得点を挙げた馬場、14得点12リバウンドのダブルダブルを記録したジョシュ・ホーキンソンの活躍もあり、最終スコア76-73で競り勝った。

中国戦の試合中に馬場、ホーキンソンと言葉をかわす河村[写真]=野口岳彦


 長年苦しめられてきた中国に勝利した要因を問われた河村は、「たかが気持ち、されど気持ちというか。自分たちが88年勝てていないなかで中国は強いというイメージがあったと思いますけど、トムさん(ホーバスHC)に変わってからワールドカップで結果を残すことができて、中国相手にも勝たなきゃいけないんだという強い信念、プライドというものがプレーの一つひとつに結びついたんじゃないかと思います」と、メンタル面の充実が勝利につながったと分析。あらためて「チャレンジャー精神を持ちながらも自分たちは強いんだというプライドも持ちながら戦わないといけないと思いました」と、自らに言い聞かせるように語った。

 また、パリ2024オリンピック前では最後の公式戦となった貴重な調整機会を白星で飾った意味を問われると、河村は「ステップアップしているという実感というのは、試合の内容だけではなく結果で感じられるものかなと思うので。勝つことで一人ひとりの自信にもなっていきますし、その自信はまたプレーにも現れるんじゃないかなと思います」と価値ある勝利だったとしたうえで、「中国は若手メンバーで、僕たちにとっては絶対に勝たなきゃいけない相手だったと思うので、もっともっと自分たちが求めているバスケットをやれていれば、もっと点差をつけて勝てる相手だったと個人的には思っています」とも話した。

 今回の国内2連戦は準備期間が短かったこともあり、「阿吽の呼吸で5人が流れに乗ってプレーできていた」という昨夏のワールドカップほどの連係ではなかったものの、「そこは自分たちの伸びしろかなと思います」と前向きな言葉も発した河村。「シュート精度をしっかり上げていければ、アジアの中では常にアドバンテージはとれるかなと思います」と、日本代表の立ち位置を再確認した。

 日本代表として新たに自信と課題を手にした河村は、今週末から再開するB1レギュラーシーズンでどのようなプレーを披露するのか。国内リーグでの戦いにも注目だ。

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