Wリーグプレーオフがいよいよスタート! 16日、17日の試合は激戦必至の一発勝負

レギュラシーズン上位8チームによるプレーオフがいよいよ始まる

 いよいよ、今週末の2月16日から第20回Wリーグのプレーオフが始まる。

 今シーズンのプレーオフは、レギュラーシーズン上位8チームによるトーナメント方式(セミファイナル、ファイナルは2戦先勝方式)。まず、レギュラーシーズンの5位と8位、6位と7位がぞれぞれ対戦し(セミクォータ―ファイナル)、これに勝利したチームが、翌日のクォーターファイナルに進む。その後、23日から25日でセミファイナル、3月2日からファイナルと行われていくが、レギュラーシーズン3位と4位はクォーターファイナルから。1位と2位は、セミファイナルからの参戦となる。

 プレーオフの日程は以下のとおり。

■プレーオフ試合日程
・2月16日 セミクォーターファイナル(@秋田県立体育館)
①13:00 富士通 レッドウェーブ(5位)vs 東京羽田ヴィッキーズ(8位)
②15:00 トヨタ紡織 サンシャインラビッツ(6位)vs シャンソン化粧品 シャンソンVマジック(7位)

・2月17日 クォーターファイナル(@秋田県立体育館)
③13:00 デンソー アイリス vs【①の勝者】
④15:00 三菱電機 コアラーズ vs【②の勝者】

・2月23~25日 セミファイナル(@スカイホール豊田)※2戦先勝方式
〈23・24日〉
13:00 JX-ENEOSサンフラワーズ vs【③の勝者】
15:00 トヨタ自動車 アンテロープス vs【④の勝者】
〈25日〉
17:00 JX-ENEOS vs【③の勝者】
19:00 トヨタ自動車 vs【④の勝者】
(1試合のみの場合は、19:00試合開始)

・3月2~4日 ファイナル(@大田区総合体育館)※2戦先勝方式
〈2・3日〉
13:00 【セミファイナルの勝者】vs【セミファイナルの勝者】
〈4日〉
19:00 【セミファイナルの勝者】vs【セミファイナルの勝者】

 ここでは、今週末に行われるセミクォーターファイナルと、クォーターファイナルの見どころをお伝えする。

富士通・町田瑠唯と東京羽田・本橋菜子との日本代表PGバトル

 左ブロックのセミクォーターファイナルは、レギュラーシーズン5位の富士通と同8位の東京羽田が対戦。

 東京羽田は、8位でプレーオフに滑りこんだが、富士通との今シーズンの対戦成績は1勝1敗で、10月中旬の開幕戦のこととはいえ、苦手意識はないと言っていいだろう。

 秋元千那実に加えてレギュラーシーズンでは平均得点11.3点をマークした新人・鷹のはし公歌など、得点力のある選手を擁するが、何より、チームを引っ張るのは本橋菜子。9月の「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」では、全試合スターターとして出場し、積極的な攻めを見せた。もちろん、東京羽田でもチーム一の得点力を誇るだけでなく、司令塔としてもチームをまとめる絶対的エースだ。

 だが、対戦相手の富士通には日本代表の司令塔・町田瑠唯がおり、本橋も思うようにプレーをさせてもらえないだろう。レギュラーシーズンを終えて、今シーズンのアシストランキング1位に輝いた町田は、言わずと知れた富士通、そして日本を代表する選手。今シーズンは意欲的にシュートを放っており、レギュラーシーズン最終戦では12得点15アシスト10リバウンドと“トリプルダブル”の活躍を見せた。

富士通では積極的に点を取りにくる町田[写真]=山口剛生

 その富士通の武器は外角シュート。3ポイントシュートの平均本数は8.77本は、プレーオフ進出8チームの中で1番。3ポインシュートランキング1位となった山本千夏を筆頭に篠崎澪、高田汐織、内野智香英らが次々とネットを射抜き、流れをつかむ。ここ数シーズンは主力の大きな変動もなく、調和の取れたオフェンスが持ち味だ。

 この2チームの勝者を迎え撃つのがデンソーアイリス。シーズン序盤はやや苦戦したものの、終盤に白星を重ねてレギュラーシーズン4位に。富士通と東京羽田には2戦全勝で勝ち越しており、大黒柱の髙田真希を中心に赤穂さくら&ひまわりやオコエ桃仁花ら若手選手が暴れれば、7シーズン連続のベスト4入りも見えてくるだろう。

トヨタ紡織とシャンソン化粧品の一戦は、いかにチームの強みを出せるか

 右ブロックのセミクォーターファイナルは、レギュラーシーズン6位のトヨタ紡織と同7位のシャンソン化粧品との顔合わせになった。両者の今シーズンの対戦は1勝1敗で力の差はほとんどない。

 トヨタ紡織は、得点源の長部沙梨が健在で、野町紗希子、畠中絵里ら長部同様にオールラウンドな動きを見せる選手たちが攻撃面を支える。一方のシャンソン化粧品は、ガードの落合里泉、フォワードの本川紗奈生、センターの谷村里佳が得点源でインサイドからアウトサイドとバランス良い布陣だ。

インサイドで体を張るシャンソンの谷村里佳[写真]=兼子慎一郎

 レギュラーシーズンでのチームの平均得点はトヨタ紡織が65.55点に対し、シャンソン化粧品が75.32点と10点近い差があり、攻撃ではシャンソン化粧品がやや有利か。だが、平均失点ではシャンソン化粧品が71.18点でトヨタ紡織が63.77点と、こちらはトヨタ紡織が上を行く。トヨタ紡織は皇后杯のデンソー戦(準々決勝)で見せたように、体を張った執拗なディフェンスを披露したいところ。一方、7位からの下克上を狙うシャンソン化粧品は、やはりエースで勝負強さを持つ本川でコンスタントに得点を挙げたい。
 
 トヨタ紡織の中川文一ヘッドコーチは、かつてシャンソン化粧品を10連覇に導いた名将。対するシャンソン化粧品の丁海鎰HCは、プレーオフでは時折秘策を繰りだす策士。そんな指揮官たちのベンチでの攻防にも注目だ。

レギュラシーズンは12勝10敗という成績で終えたトヨタ紡織[写真]=兼子慎一郎

 クォーターファイナルでトヨタ紡織とシャンソン化粧品との勝者と対戦する三菱電機コアラーズ(レギュラーシーズン3位)は、ベテランで18センチの王新朝喜やルーキーの竹原レイラ(185センチ)ら15人中6人が180センチ以上の選手。その高さを活かしたオフェンスやリバウンドに加え、169センチでガードの渡邉亜弥がドライブや3ポイントシュートにと得点を稼ぎだす。昨シーズンは、クォーターファイナルでトヨタ自動車アンテロープスに競り負けただけに、今シーズンはしっかりと勝ち抜きセミファイナルでのトヨタ自動車に挑みたい。

 セミクォーターファイナルとクォーターファイナルは一戦先勝方式のため、一発勝負。秋田で行われる2日間は、どのチームも気の抜けない戦いとなる。

文=田島早苗

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