8月30日にインドネシアのジャカルタで行われた「第18回アジア競技大会(夏季大会)」の女子バスケットボール競技の決勝トーナメント準決勝は、日本代表が中国代表に74-86で敗れ、3位決定戦へ進むことが決まった。
予選では100点ゲームで大敗している中国を相手に一矢報いたい日本は、立ち上がりこそ0-7と失点したものの、その後は林咲希(JX-ENEOSサンフラワーズ)の3ポイントシュートや篠崎澪(富士通レッドウェーブ)の連続得点などで食らいつき、一時は1点差に迫るなどして前半を30-40で折り返した。第3クォーターで一気に詰めたい日本だったが、「3クォーター目の、本当に一瞬の隙でちょっと点数がテンポよくやられてしまった」と試合後に薮内夏美ヘッドコーチが語ったように、日本のファウルやシュートミスをつかれて立て続けに中国に得点を許し、捉えることはできなかった。
「気の緩みで相手に引きこまれたのが、私たちの集中力のなさ」と振り返った薮内HC。「本当にチャンスはたくさんありましたし、とにかく残念の一言です」とその敗戦には悔しさもにじむが、ディフェンスについては大きな収穫があったようだ。「今まで準備してきたことと真逆のことをして、それを短い時間の中でも選手がしっかりと対応してくれたので、その部分ではすごく効果的に今日のディフェンスは機能したと思います」と手応えを語り、続けて「まず目の前のオフェンスに1対1では負けないようにと。とは言ってもそれをゼロに抑えることはできないので、隣のヘルプを信じたりとか、ボールマンのプレッシャーを信じてしっかりチームディフェンスをしようということで。仲間を信じて、抜かれてもヘルプがいるので積極的に1対1をがんばらせました」と説明した。
オフェンスでも「まったく予選とは別のスクリーンプレーがあったので、それもすごく効果的にドライブインとかも出ていたと思います」と評価。「選手は自分の役割をきちんとわかってやってくれてると思いますし、みんながボールをシェアして、全員で得点して全員で走っていくというのが今日のテーマだったので、その辺りは見せられた部分は大きかったのかなと思います」と選手たちの健闘を称えた。
9月1日の3位決定戦は、銅メダルを賭けてチャイニーズ・タイペイと対戦する。「シュートが上手なチームなのでちょっとした気の緩みが全部得点につながる。本当に集中力を切らさずに」と指揮官は気を引き締めるが、中国戦での経験を糧に、「タフにディフェンスから仕掛けていきたいです」と意気込みは十分。「最後まで私たちは自分たちのバスケットをやりきることが大事だと思っておりますし、こうしてたくさんの日本人の応援もありますので、皆さんと一緒に最後、喜びを分かち合えたらいいなと思います」との思いで最終戦に臨む。