ハーデンのシェイクをまさかの低評価。その理由とは?
3月1日(現地時間2月28日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦。第1クォーター終盤に、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンが自慢のボールハンドリングからステップバックを繰り出した。
その瞬間、ディフェンダーのウェズリー・ジョンソンはまるでハーデンに弾き飛ばされたかのように後退し、転倒してしまう。するとハーデンはジョンソンをあざ笑うかのように静止し、あっさりと3ポイントシュートを決めた。
このプレーはSNSですぐに拡散し、今季最高級の“アンクルブレイク”となったのは言うまでもない。
そんな中、現地メディア『TMZ Sports』がボールハンドリングにかけては世界的に有名な男にハーデンのプレーについて聞いていたので紹介したい。
男の名は、“ザ・プロフェッサー”ことグレイソン・ブゥシェー。「AND1 Mixtape Tour」などで華麗なボールハンドリングスキルをいかんなく発揮してきたストリート界のレジェンドである。
ブゥシェーはハーデンのプレーに対して「今シーズンでベストの1つなのは間違いない」と言ったものの、「ハーデンのシェイクはA-、ディフェンスをしていたジョンソンはD+かな」と評した。
というのも、ブゥシェーが考えるベストなアンクルブレイクは、ハーデンが見せたような相手ディフェンダーに体を当ててからその反動でステップバックするのではなく、相手と接触せずにアンクルブレイクすることだという。
ウォーカー、ハーダウェイ、アイバーソンを挙げたバウチャー
では、ブゥシェーにとって、現役でベストなクロスオーバーとハンドリングを見せるのは誰なのだろうか?
「カイリー(・アービング/ボストン・セルティックス)とステフ(・カリー/ゴールデンステート・ウォリアーズ)は、NBAでもベストなハンドリングを見せている。でもクロスオーバーなどを加味すると、ケンバ・ウォーカー(シャーロット・ホーネッツ)だね」と意外な回答が返ってきた。
ウォーカーといえば、本格的にダンサーを目指していた過去を持ち、ドリブルしながらまるでダンスをするかのように舞い踊り、相手ディフェンダーをすり抜けていくところが魅力の1つ。自らのボールハンドリングとクイックネス、スピードで相手ディフェンダーをあしらうことのできる選手である。
そして、歴代でベストなのは誰なのかと聞かれると、ブゥシェーはこう答えた。
「アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)とティム・ハーダウェイ(元マイアミ・ヒートほか)だね。そして僕にとってベストなクロスオーバーは、アイバーソンがウィザーズ戦でアントニオ・ダニエルズ(元ウィザーズほか)を2度もアンクルブレイクさせたプレーだね」
ブゥシェーが振り返ったように、アイバーソンが見せた驚異的なボールハンドリングと電光石火のクイックネスに、ダニエルズは2度もバランスを崩されてしまった。
クロスオーバーやアンクルブレイクといったムーブは、引っかかってしまった相手選手からすれば屈辱以外の何ものでもないが、見ている側にとっては思わず大声で叫んでしまうほど興奮してしまうプレーである。
現役ベストの選手としてハーデンではなくウォーカーを選んだのは、相手とあまり接触しないボールハンドリングスキルで生き抜いてきたブゥシェーならではの見方だったと言えるだろう。