今年はキッドとナッシュ、ヒルらが殿堂入りへ
3月30日(現地時間29日)、現地メディア『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロスキー記者が、今年のネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム(以降、殿堂)入りするメンバーについて数人の名前を報じた。
同記者によると、今年の殿堂入りの通知を受けたのは、選手部門のジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)、スティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)、グラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)だという。
また、モーリス・チークス(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、ロッド・ソーン(功労者部門)、ティナ・トンプソン(WNBA、元ヒューストン・コメッツほか)も殿堂入りメンバーになるだろうと報じている。
NBAの通算アシスト数において、キッドは歴代2位となる1万2,091本、ナッシュは歴代3位の1万335本を記録。また、両者はキャリアの中で5度ずつアシスト王を獲得した。
キッドとナッシュは歴代有数のポイントガードではあるものの、異なったプレースタイルでレジェンドの域にまで上りつめた。キッドはキャリア通算107度のドリプルダブルを達成したように、万能型ポイントガードとして活躍。経験を積むにつれて弱点とされたシュート力を向上させ、3ポイントシュート成功数は歴代9位の1,988本まで到達。2011年にはマブスの初優勝にも大きく貢献。
一方、ナッシュはキャリアを積むことで成長していった。98年のマブス移籍を機に、当時ルーキーだったダーク・ノビツキー(マブス)と切磋琢磨し、オールスター選手へと飛躍。04年、キャリア初期を過ごしたサンズへ帰還すると、多才なパスワークと正確無比なショットを武器に、チームをリーグ屈指の強豪へと押し上げ、05、06年にはシーズンMVPを獲得している。
95年にキッドと共に新人王に輝いたヒルは、ピストンズに在籍していた6シーズンで29度のトリプルダブルを残すなどオールラウンダーとして活躍。キャリア中盤、足首の負傷により満足できるパフォーマンスを残せなかったが、07年のサンズ移籍を機にロールプレーヤーとして復活。ディフェンスに力を入れつつ、ゲームメークもこなし、3ポイントシュートを上達させたことで、チームの潤滑油として欠かせない選手だった。
ちなみに、キッドとナッシュはサンズ時代で約2シーズン、ナッシュとヒルはサンズで5シーズン、チームメートとして一緒にプレーしていた。
引退後もNBAに関わるステージで活躍
ナッシュは現在、ウォリアーズで選手育成のコンサルタントを務めている。3月30日(同29日)、そのナッシュについて、ケビン・デュラントは現地メディア『ESPN』へこのようにコメントを残している。
「彼のバスケットボールに対する考え方は、たぶん俺が見てきたなかでもベストだろうね。これまで多くの人が、どのようにプレーすればいいかを俺に教えてくれた。でも彼は俺に対してこれまで教わってこなかったことを教えてくれる。お陰でゲームでも活かすことができているから、とてもありがたいと思ってるよ」。
ナッシュが持つバスケットボールマインドは、特筆すべきものだったようだ。キッドは現役引退後、ブルックリン・ネッツのヘッドコーチに就任し、今季途中まではミルウォーキー・バックスの指揮官を務めていた。ヒルは引退後、『NBA TV』のアナリストとして活躍している。
今年の殿堂入りメンバーの詳細は、4月1日(同3月31日)に発表されることとなる。ほかに殿堂入りする元選手たちが誰なのかも気になるところだ。