高確率の長距離砲で最大27点差をつけたロケッツ
4月30日(現地時間29日)、ヒューストン・ロケッツとユタ・ジャズによるウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦が、ロケッツのホーム、トヨタ・センターで行われた。
アウェーのジャズは、ハムストリング負傷のため戦線離脱となった司令塔リッキー・ルビオの代役に新人のルイス・オニールを先発に抜てきし、ロケッツとのシリーズ初戦に挑んだ。
第1クォーター序盤。ジャズはオニールのアシストでジョー・イングルズが先制点となるジャンパーを決めると、今度はドノバン・ミッチェルのアシストでイングルズがレイアップを決める。
ロケッツはジェームズ・ハーデンのレイアップにフリースロー3本で逆転すると、PJ・タッカーの3ポインター、クリス・ポールのショットで徐々にリードを広げていく。このクォーター残り0.3秒には、この試合から戦列復帰したルーク・バー・ア・ムーテの3ポインターがとびだし、34-21と13点リードで最初の12分間を終える。
第2クォーターに入ると、トレバー・アリーザのレイアップとポールの長距離砲でロケッツが突き放しにかかる。ジャズはダンテ・エクサムやイングルズらが得点を挙げるも、残り6分42秒にクリント・カペラがレイアップを決めて20点差(49-29)をつけた。
何とか突破口を開きたいジャズは、ジェイ・クラウダーやイングルズ、ミッチェルが加点していくものの、タッカーの連続3ポインターやハーデンのショットなどを許し、最大27点のビハインドを背負い、ロケッツのオフェンスを抑えることができず。結局、前半はロケッツが64-39と、リードを25点に広げて試合を折り返す。
第3クォーター。ジャズはミッチェルを中心に徐々に点差を縮めていき、20点差まで詰め寄り、このクォーターを終えて18点差(68-86)まで巻き返すことに成功。
第4クォーター序盤には、クラウダーやミッチェルのショットで11点差(75-86)にしたのだが、この日はこれが精いっぱいだった。ハーデンがこのクォーターだけで13得点を挙げる活躍で、ロケッツは再びリードを広げ、最終スコア110-96でシリーズ先勝となった。
ジャズの堅牢ディフェンスを突破したハーデン
ロケッツでは、ハーデンがゲームハイの41得点に8リバウンド7アシストと大活躍。ポールが17得点4リバウンド6アシスト4スティール、カペラが16得点12リバウンド、タッカーが15得点6リバウンドを奪取。
チーム全体で3ポイントシュート成功率53.1パーセントを記録し、ハーデンの7本を筆頭に32投中17本を沈めてみせた。
敗れたジャズではミッチェルが21得点5アシスト、イングルズが15得点6リバウンド5アシスト、ルディ・ゴベアが11得点9リバウンド。ベンチからクラウダーが5本の3ポイントシュート成功を含む21得点をマークするも、ロケッツに完敗。
試合後の会見で、「彼らのディフェンスは本当に良い。すばらしいディフェンスをしている。だが、ジェームズはやはりジェームズなんだ」とロケッツのマイク・ダントーニHCが語ったとおり、ハーデンは別格だった。
「彼はスペシャルな選手。彼がやることなすことすべてをカバーすることは難しい。彼は多くの面でこのゲームにインパクトを与えていた。今後はもっと彼に対して厳しくガードしなければならない」とクイン・スナイダーHC(ジャズ)。
今季のレギュラーシーズン4試合とこの日の試合でジャズに5連勝しているロケッツは、平均16.8得点差をつけて圧勝している。ハーデンは自信満々にこう言い放っていた。
「俺たちは(ほかのチームとは)違う。シーズンをとおして、多くの異なったディフェンスを見てきたから、どんなディフェンスを敷かれようと、対応できるのさ」。
シリーズ第2戦が行われるのは5月3日(同2日)。はたして、ジャズはロケッツが繰り出す破壊力満点のオフェンスに対して、どのような修正をしてくるのだろうか。