チームディフェンスでセルティックスのミスショットを誘発
5月22日(現地時間21日)、ボストン・セルティックス(2勝)とクリーブランド・キャバリアーズ(1勝)によるイースタン・カンファレンス・ファイナル第4戦が、キャバリアーズのホーム、クイックン・ローンズ・アリーナで行われた。
先取点を挙げたのはキャブス。リング下にいたトリスタン・トンプソンへパスが通り、ショットを放つもアル・ホーフォードがブロック、続くショットもミスしたものの、自らオフェンシブ・リバウンドをもぎ取って3度目のトライで得点。セルティックスはマーカス・モリスがドライブからダンクをたたき込み、すぐさま同点とする。
その後、キャブスはケビン・ラブやレブロン・ジェームズにJR・スミス、セルティックスはホーフォードとモリス、ジェイレン・ブラウンが加点。残り7分54秒にテリー・ロジアーのプルアップ・ジャンパーでセルティックスが10-9とリードを奪う。
するとキャブスは、トンプソンのレイアップ、スミスの3ポインター、レブロンの3ポイントプレーとジャンパーで10連続得点を挙げて9点をリード。キャブスはチームディフェンスでセルティックスのショットを防ぎ、その後もリードを広げていき、34-18で第1クォーターを終える。
第2クォーター。セルティックスはジェイソン・テイタムやホーフォードの得点で追い上げる中、キャブスはカイル・コーバーが2本連続で長距離砲を沈めるなど高確率なショットで加点。キャブスはこのクォーター序盤に最大17点をリード。
だがセルティックスは、ロジアーが2本連続で3ポインターをねじ込み、ブラウンとモリスの3ポインターも続き、残り4分19秒に43-53と、10点差まで詰め寄る。トンプソンにレイアップを許すも、ブラウンの3ポインターが決まり、9点差とする。
それでも、ホームのキャブスがレブロンの2連続ジャンパーやスミスの長距離砲、トンプソンのダンクなどで再びリードを広げ、68-53と、15点差をつけて試合を折り返す。
第3クォーター。開始3分でスコアレスとなったキャブスに対し、セルティックスはホーフォードとブラウンの得点で点差を詰めていき、9点差まで忍び寄る。
その後、両チームが得点を入れ合う中、このクォーター中盤にラブとモリスがそれぞれ5回目のファウルを宣告される。
セルティックスは最大8点差まで追い上げるも、キャブスはレブロンがロジアーとのミスマッチを突いて得点するなどリードを保持。残り約2分からはラリー・ナンスJr.が3ポイントプレーとフリースロー2本を沈め、レブロンのドライブも決まり、キャブスが15点差をつけるも、終了間際にテイタムがダンクをたたき込み、89-76のキャブス13点リードで最終クォーターへ。
第4クォーター。キャブスはラブとヒル、セルティックスはロジアーとブラウンを中心に加点。残り8分28秒、ホーフォードがポストプレーからボースハンドダンクをたたき込み、セルティックスが88-96と8点差に追い上げる。
残り4分29秒、セルティックスはスマートのドライブで7点差(93-100)とするも、キャブスはトンプソンのダンクにレブロンのレイアップ、ヒルのショットが決まって流れを引き戻す。そして残り1分43秒、レブロンの3ポインターで14点差へと突き放し、最終スコア111-102でキャブスが勝利。シリーズ戦績を2勝2敗のタイへと引き戻した。
唯一無二の支配力で勝利をもたらしたレブロン
勝利したキャブスでは、レブロンがゲームハイとなる44得点、ベンチスタートのコーバーが14得点4リバウンド3ブロック、トンプソンが13得点12リバウンド2ブロック、ヒルが13得点2スティール、ラブが11リバウンドを記録。
レブロンは今年のプレーオフ6度目となる40得点超えをマーク。さらに、プレーオフにおける通算フィールドゴール成功数で、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか/2,356本)の記録を抜き、歴代トップに浮上した。
セルティックスでは、ブラウンが25得点6リバウンド2スティール、テイタムが17得点、ロジアーが16得点6リバウンド11アシスト3スティール、ホーフォードが15得点7リバウンド、モリスが10得点。
キャブスのディフェンスに封殺される場面もあるなど、チーム全体のフィールドゴール成功率は41.2パーセントに終わり、アウェーで2連敗となった。
試合後の会見で、レブロンはベンチスタートでチーム2位の14得点を挙げたコーバーを絶賛。「我々がトレードで彼を獲得してからというもの、俺はカイルのことが大好きさ」と語り、頼れるチームメートを誇った。37歳ながら、コーバーはこの試合で3ブロックを記録し、ルーズボールにも積極的に跳び込み、セルティックスのターンオーバーを誘う働きで勝利に貢献。
セルティックスのホーム、TDガーデンに戻ることについて聞かれると、「俺たちにとっては厳しい環境だろうね。会場にいるファンはエネルギッシュにセルティックスへ声援を送り続けるだろう。それでも俺たちは、強じんなメンタリティーで、その環境が俺たちにとってすばらしい雰囲気になるのだと理解して臨みたいね」とレブロンは答えた。
ホーフォードはレブロンについて「彼はすばらしい活躍を見せているね」と語るも、「僕らはホームに戻って、ホームコート(の試合)を守るだけさ」とコメントし、翌戦へと切り替えていた。
勝利したチームがシリーズ突破に王手をかけることとなる第5戦は、24日(同23日)に行われる。会場はセルティックスのホーム、TDガーデン。セルティックスはこのプレーオフ、ホームで9戦無敗を誇っているだけに、キャブスとしては何とかこの勢いを持ち込んでアウェーでも勝利したいところ。セルティックスとしては、絶対の自信を持つホームで巻き返しを図り、連敗を2で止めて王手をかけるべく、入念な準備をしてくるに違いない。