因縁のライバル、ピストンズを下して生まれた記録
今からちょうど27年前の1991年5月22日(現地時間21日)。シカゴ・ブルズが当時プレーオフ史上、最長記録となるホーム15連勝を樹立した。
90-91シーズン。ブルズはイースタン・カンファレンスでトップとなる61勝21敗を記録。マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピペン、ホーレス・グラント(いずれも元ブルズほか)を中心に勝ち続け、フランチャイズ史上最多勝(当時)を挙げてプレーオフへ。
1回戦ではニューヨーク・ニックスをスウィープで突破、カンファレンス・セミファイナルではチャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)率いるフィラデルフィア・セブンティシクサーズを4勝1敗で下し、カンファレンス・ファイナルへと駒を進めた。
カンファレンス・ファイナルの相手は、これまで3年連続で敗れていたデトロイト・ピストンズ。89、90年に連覇を果たしたピストンズは、アイザイア・トーマスとジョー・デュマース(いずれも元ピストンズ)という強力なスコアリングデュオを中心に、ビル・レインビアやデニス・ロッドマン(いずれも元ピストンズほか)らタフでフィジカルなディフェンスを身上とする“バッドボーイズ”として知られる強豪だった。
ブルズは88年にイースト準決勝(1勝4敗)、89年はイースト決勝(2勝4敗)、90年もイースト決勝(3勝4敗)で苦杯をなめ、4度目の正直でピストンズとのシリーズに挑んだ。
ディフェンディング・チャンピオンのピストンズは、4年連続でライバルチームを打ち負かすべく、意気揚々と向かってきたが、91年のブルズはチーム全体として精神的な強さが増し、予想外のスウィープという形でピストンズを撃破。
当時プレーオフ史上、最長記録となったホーム15連勝は、ピストンズとのシリーズ第2戦に105-97で勝利したことで達成された。この試合でジョーダンはゲームハイとなる35得点に7アシスト、ピペンが21得点10リバウンド5アシスト3スティール2ブロック、グラントが13得点を挙げ、勝利に貢献している。
ブルズの記録を塗り替えた今年のウォリアーズの結末は?
あれから約27年。ゴールデンステート・ウォリアーズがヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・ファイナル第3戦に勝利し、ホーム16連勝を達成。四半世紀以上が経過し、ブルズの記録を塗り替えることとなった。
ホーム15連勝を達成したブルズは、ロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナル初戦に敗れてしまい、この記録こそ途切れてしまうも、第2戦から怒濤の4連勝でレイカーズを下し、フランチャイズ史上初のNBAチャンピオンに輝いた。
ジョーダン率いるブルズは92、93年にも優勝し、59年から66年にかけてボストン・セルティックスが成し遂げた8連覇以来初となる3連覇を達成。96年から98年にも3連覇を記録したことで、8年間で6度の優勝を勝ち取っている。
27年前にブルズが残したホーム15連勝という記録は、今考えてみると、のちに生まれる数々の偉業への橋渡しだったのかもしれない。
そして過去3年で2度の優勝を飾っているウォリアーズが、今年のプレーオフでフランチャイズ史上初の連覇を成し遂げることができれば、誰もが認める“ウォリアーズ王朝”となることができるのではないだろうか。