2018.04.16
今からちょうど28年前の1990年3月29日(現地時間28日)、シカゴ・ブルズのMJことマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)が、クリーブランド・キャバリアーズを相手にキャリアハイとなる69得点を挙げた。
前年のプレーオフ、キャブスとのファーストラウンドで対決したブルズ。2勝2敗で迎えた第5戦(当時は3戦先勝)で、“The Shot”と呼ばれるシリーズ決着ブザービーターを決めたジョーダンは、この日もキャブス相手に得点を量産。フィールドゴール37投中23本(うち3ポイントシュートは6投中2本)成功、フリースローを23投中21本決め、69得点まで伸ばしていった。
第4クォーターにキャブスが粘り、延長にもつれ込んだものの、ジョーダンは得点だけでなく、18リバウンド6アシスト4スティールをマークする大車輪の活躍により、ブルズが117-113で勝利。
このシーズンのブルズは、フィル・ジャクソンがアシスタントコーチからヘッドコーチへと昇格し、イースタン・カンファレンス3位の55勝27敗を記録。ジョーダンは平均33.6得点6.9リバウンド6.3アシスト2.8スティールで4シーズン連続の得点王に加え、自身2度目のスティール王も獲得。当時キャリア3シーズン目だったスコッティ・ピペンとホーレス・グラント(共に元ブルズほか)も着実に成長を遂げていた。プレーオフではカンファレンス・ファイナル第7戦でデトロイト・ピストンズに敗れてしまい、ブルズは3年連続でピストンズの前に散った。しかし翌91年、4度目の挑戦でピストンズの壁をようやく乗り越えたブルズは、ファイナルでもロサンゼルス・レイカーズを4勝1敗で下し初優勝。その後、90年代初期の3連覇を果たすなど、王朝を築いていった。
ちなみに、95年3月29日(同28日)は、ジョーダン1度目の現役復帰から5試合目となるニューヨーク・ニックス戦がマディソン・スクエア・ガーデンで行われた。この日のジョーダンは第1クォーターからシュートタッチが絶好調で、ジョン・スタークス(元ニックスほか)らニックスのディフェンダーをかわして鮮やかなショットを何本も沈めていく。
ホームのニックスは、大黒柱のパトリック・ユーイング(元ニックスほか)が36得点を記録するなど応戦。試合は1点を争う接戦となったものの、55得点と大爆発したジョーダンをニックスは止めきれず。最後はジョーダンに決勝点となるアシストを許してしまい、最終スコア113-111でブルズが接戦を制した。
この日のジョーダンは、37投中21本(うち3ポイントシュートを4投中3本)成功、フリースロー11投中10本を決めるパフォーマンスでリーグ全体、いや世界全体にジョーダン完全復活を知らしめることとなったのである。
キャリア平均30.12得点、得点王10度と、いずれも歴代トップの実績を残すジョーダン。キャリア最高得点はレギュラーシーズンに挙げた69得点と、意外に少ないと思う方もいるかもしれない。
しかしながら、プレーオフでは歴代最多得点を今でも保持している。それは86年プレーオフのファーストラウンド第2戦、この年優勝したボストン・セルティックス相手に挙げた63得点である。あれから30年以上が経過したが、いまだにこの記録を超える選手は現れていない。
もっとも、ジョーダンに対して記録ばかりを口にするのは野暮な話なのかもしれない。ジョーダンはこれまで、勝利を決定づける重要なショットを幾度も沈め、世界中のスポーツファンを虜にしてしまう超絶プレーを数えきれないほど見せてきたからだ。
これまでジョーダンと比較された選手や似たようなプレーをする選手、スタッツ面でジョーダンを上回る選手も出てきたが、“オリジナル”と比べてしまうと、さすがにインパクト不足は否めない。
バスケットボールというスポーツの価値観を変えた男——。ジョーダンを端的に表現することは難しいが、これまでNBAでプレーしてきた数多くのレジェンドたちと比較しても、ジョーダンほどこの表現にふさわしい選手はいないのではないだろうか。
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