ハワード放出は新体制ホーネッツが下した最初の決断
6月21日(現地時間20日)、現地メディア『ESPN』がシャーロット・ホーネッツとブルックリン・ネッツによる2チーム間のトレードが合意に達したと報じた。
ホーネッツではセンターのドワイト・ハワードがネッツへ、ネッツからはセンターのティモフェイ・モズゴフ、2つのドラフト2巡目指名権(今年の全体45位と2021年)、現金がホーネッツへ動くこととなる。
ホーネッツは直近2シーズン連続で36勝46敗と負け越してしまい、プレーオフ出場を逃している。現在、バスケットボール部門の代表に元ロサンゼルス・レイカーズのミッチ・カプチャック氏、指揮官には元サンアントニオ・スパーズACのジェームズ・ボレーゴHCを据えて新体制で動いており、ハワード放出は新たな船出の第一歩となった。
キャリア14年のハワードは、これまで8度のオールスター選出をはじめ、最優秀ディフェンシブプレーヤー賞に3度輝くなどリーグ屈指のビッグマンとしてすばらしい実績を残してきた。32歳のベテランは今季、81試合すべてに先発出場し、平均30.4分16.6得点12.5リバウンド1.6ブロックをマーク。
だが、ハワードは16年オフにヒューストン・ロケッツからアトランタ・ホークスとフリーエージェント(FA)契約してからというもの、毎年トレードで移籍を繰り返している。昨年はホーネッツへ放出され、今年はネッツへのトレードを言い渡された。
一方のモズゴフは、16年にクリーブランド・キャバリアーズの一員として優勝を経験。同年夏にレイカーズと高額契約を結んだものの、昨年オフにトレードでネッツへ、今年もトレードでホーネッツへと移籍。今季は31試合に出場し、平均11.6分4.2得点3.2リバウンドを記録していた。
2年連続でトレードされたビッグマンの奮起に期待
ネッツとしては、あと2年で3,272万ドルという高額契約が残るモズゴフよりも、残り1年で2,350万ドルのハワードのほうが良いと判断したのだろう。一部報道でチームメートとの仲が悪いという声もあるが、選手としての格はハワードが上なのは明らかで、机上では戦力アップしたと言っていい。
ホーネッツには、16年オフにモズゴフと高額契約を結んだ張本人、カプチャックGMがいること、そしてチームにはモズゴフのほうがフィットすると判断したのだろう。
もっとも、ホーネッツにはモズゴフを含めて年俸1,000万ドル以上の選手が6選手もおり、来季のサラリーはすでに1億ドルを超えている。これでは補強もなかなかうまく進まないため、今後も戦力アップを図るべく、トレードの交渉を進めていくのではないだろうか。
ハワードとモズゴフ。3ポイントシュートが重宝される現代で、従来型のビッグマンは出番を失ってきているのは事実だが、ハワードは32歳、モズゴフは31歳と、まだ引退を迎えるのは早すぎる。新天地で今季以上の活躍を見せてほしいものである。