これから迎える“勝負の夏”について2年スパンで考えるマジック
6月27日(現地時間26日)、現地メディア『ESPN』は、今夏大物フリーエージェント(FA)獲得がウワサされるロサンゼルス・レイカーズのバスケットボール運営部門代表を務めるアービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ)の現状を報じた。
通算16度の優勝回数を誇る名門レイカーズは、今夏超大物FAを2人獲得できるほどのキャップスペースを持っており、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)やポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)、デマーカス・カズンズ(ニューオリンズ・ペリカンズ)といったトップレベルの選手獲得へ動くと見られている。
そんな中、マジックは来年の夏を期限とし、大物選手獲得を狙っているという。今夏にレブロンやジョージを獲得できなくとも、失敗ではないと語った。
「選手たちがどのような決断を下すのか、我々にはわからないし、コントロールできることではない。だから彼らが今夏にここへ来なかろうと、失敗ではない。来年の夏に備えるだけだ」。
ただし、「来年の夏、もし(大物選手がレイカーズに)加入しておらず、私がいるならば、それは失敗となる」と語り、もしそうなれば「身を引くつもりだ」とマジックは明かした。
今季のレイカーズは、35勝47敗でウエスタン・カンファレンス11位ながら、ここ5シーズンでは最も良い成績だった。ロースターにはブランドン・イングラムやロンゾ・ボール、カイル・クーズマ、ジョシュ・ハートといった将来性豊かな若手がそろっている。
そのため、もしレイカーズにレブロンやジョージのようなリーグトップクラスの選手が加入すれば、非常に面白いチームへと変貌するだろう。つまり、今夏は戦力増強における千載一遇のチャンスと言うわけだ。
NBA史上有数のカリスマはレイカーズを再び優勝候補へと引き上げられるか?
ウエストにはゴールデンステート・ウォリアーズやヒューストン・ロケッツをはじめ、リーグを代表する強豪チームが数多く所属しているため、そう簡単にプレーオフへ出場できるほど甘くはないものの、レイカーズが本拠地に置くロサンゼルスはバスケットボールだけでなくビジネス面でもポジティブな要素が多く、気候も温暖なため人気は依然として高い。
そのためか、マジックに焦りはない。自らが「失敗したら身を引く」と語った背景には、良い感触を得ていると捉えてもいいだろう。マジックはこう語っていた。
「私にプレッシャーなどない。自分の仕事をするだけさ。(選手として)私がどのくらいNBAファイナルに出場してきたか知ってるかい? 私は9回出場し、ラリー・バード(元ボストン・セルティックス)と何度も対戦してきた。私が(FA獲得に失敗するかどうか)心配すると思うかい?」。
5度の優勝、3度のシーズンMVPとファイナルMVPを獲得してきたことをはじめ、マジックが現役時代に残してきた功績は枚挙にいとまがない。マジックはカリスマ的人気と実力、そして見事なリーダーシップを発揮してきた。引退から20年以上が経過しようと、マジックは唯一無二の存在だ。マジックはこう続けた。
「私はマジック・ジョンソンだ。何も変えようとするつもりもない。とてもエキサイトしてるし、楽しんでいる。(これから迎える2度の夏を)私は楽しみにしている」。
やはりマジックというNBA屈指のレジェンドがいる限り、レイカーズの動向から目が離せない。