36分換算でペイトン、ポールに次ぐ史上3人目の高水準に到達!
今年1月15日(現地時間14日)、トレイ・バークはニューヨーク・ニックスと複数年契約を結び、キャリア5年目をシーズン途中からプレーした。
ニックスをプレーオフへ導くことはできなかったものの、昨季のバークは36試合(うち先発は9試合)に出場し、平均21.8分12.8得点2.0リバウンド4.7アシストをマーク。フィールドゴール成功率50.3パーセントは自己ベストで、ターンオーバーも平均1.2本と少なく、安定した成績を残した。
このスタッツを36分換算で見てみると、昨季のバークは自己ベストとなる21.1得点に加えて7.8アシスト2.0ターンオーバーという、見事なパフォーマンスを披露していたことがわかる。
実はレギュラーシーズンで500分以上出場した選手を対象に、36分換算で20.0得点7.0アシスト2.5ターンオーバーを1シーズンをとおして残した選手というのは、バークのほかに2人しかいないことがわかった(参照元は『Basketball Reference.com』)。
NBAアナリストのトミー・ビーアによると、36分換算のスタッツでこの条件をクリアしたことがあるのは、ゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)とクリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)しかいないという。
25歳のバークは歴代有数のレジェンド2人にどこまで近づくことができるか?
ペイトンはキャリア17シーズンをプレーしたポイントガードで、通算9度のオールスター選出、オールNBAチームとオールディフェンシブチームにもそれぞれ9回選ばれた実績を誇る攻防兼備の選手として知られるレジェンド。96年には最優秀ディフェンシブプレーヤー賞にも輝いており、ポイントガードとしてはリーグ史上最高のディフェンダーの1人と言っても過言ではない。
キャリア平均35.3分16.3得点3.9リバウンド6.7アシスト1.8スティールを記録するペイトンは、36分換算でこの条件を3度もクリアしてきた。そのいずれもがソニックスのベストプレーヤーとして活躍していた1990年代中盤から2000年代序盤までに達成している。
一方のポールは、昨季までのキャリア13シーズンで平均35.3分18.7得点4.5リバウンド9.8アシスト2.3スティールを記録中。06年に新人王を獲得したことを皮切りに、これまで4度のアシスト王、6度のスティール王に輝く現役有数の正統派司令塔。
9度のオールスター選出(13年にはMVP獲得)を筆頭に、オールNBAチーム8度、オールディフェンシブチーム選出9度を誇る。ミスの少なさにも定評があり、通算A/TO(アシスト/ターンオーバー比率)では4.05と、すばらしい実績を残している。
そのポールが36分換算で20.0得点7.0アシスト2.5ターンオーバーをクリアしたのは2回。キャリア3年目、ニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)在籍時の07-08シーズンと、ロケッツ加入初年度となった昨季だった。
もちろん、これまでの実績と全体的な選手としての評価で、バークはペイトンとポールには遠く及ばない。昨季と同等の成績を今季も継続することは至難の業だろう。
それでも、昨季のバークが歴代有数のポイントガードにも引けを取らない成績を残したことは事実。25歳のバークが今後どんな選手へと成長を遂げるのか、期待したいところだ。