2018.09.27
8月24日(現地時間23日)、カーメロ・アンソニー加入後、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)が初めてメディアの前で口を開いた。
現地メディア『The Players’ Tribune』によるインタビューで、ハーデンはカーメロ加入についてこう語っていた。
「MVPを獲得したシーズンの後に、カーメロ・アンソニーを加えることができたんだから、今後はよりイージーにプレーできるだろう。トランジションもよりラクになる。才能があり、コミュニケーションを好み、物事を理解しようとすることにたけた高いバスケットボールIQを持つ選手を獲得できたから、仕事がラクになるね」。
もともと、ハーデンはカーメロの大ファンであり、獲得前の時点で興奮ぎみにこんな言葉を残していた。
「カーメロが(ゲームに)何を持ち込むことができて、どれだけ才能にあふれているかは世界中の人々が知ってる。彼は今でも多くのものをもたらすことができる。もしロケッツに来てくれれば、俺たちは彼のベストを引き出してみせるさ」。
ハーデンが昨季加入したクリス・ポール、カーメロとの“ビッグ3”体制でシーズンを迎えるのは、おそらくオクラホマシティ・サンダーに在籍していたキャリア初期以来だろう。
当時のサンダーにはケビン・デュラント(現ゴールデンステート・ウォリアーズ)とラッセル・ウェストブルックがおり、ハーデンは主にシックスマンとしてプレーしていた。しかし、より多くのプレータイムと活躍の場、そして高額契約を求めていたハーデンは、2012年10月下旬にロケッツへと移籍した。
あれから約6年。デュラント(13-14シーズン)、ウェストブルック(16-17シーズン)、そしてハーデン(17-18シーズン)はそれぞれシーズンMVPを獲得するほどの超一線級の選手としてリーグをけん引しており、ハーデンの移籍は大正解だったと言っていいはずだ。
それに、今回形成されたポール、カーメロ、ハーデンによる“ビッグ3”は、サンダー時代のものとは少し異なる。ポールとカーメロは共にキャリア13年以上を誇るベテランであり、毎試合チームトップの得点を挙げて目立とうとする選手ではないということ。彼らは優勝すべく、ハーデンと共にプレーすることを選択したのである。
「アンセルフィッシュでバスケットボールというゲームを熟知した高いバスケIQの持ち主が2人もいるんだから、ゲーム運びはイージーになる」とハーデンも期待に胸を躍らせている。
9月下旬に始まるトレーニングキャンプから3選手がチームの中心として稼働していくにあたり、ハーデンが重要視しているのはコミュニケーションだという。
「もし俺たちがコミュニケーションをうまくとれていないと、この仕事は難しくなってしまう。それはどこかで誤解してしまっている部分があるということ。俺たちがコートでコミュニケーションをとれていれば、物事はスムーズに進むだろうね」。
ロケッツはまぎれもなくハーデンのチーム。この男がチームの顔として君臨していることは明らかだ。昨季はそこに頼もしい司令塔ポールが加入し、今夏にはカーメロというリーグ有数のベテランスコアラーも加わった。そのため、今季はハーデン、ポール、カーメロのスタッツがそれぞれ昨季からダウンする可能性もある。
それでも、ロケッツはチームとしてのゴールが“打倒ウォリアーズ”、“チャンピオンシップを勝ち取ること”であること、それが共通認識として統一されている。シーズン序盤は新加入選手をチームにアジャストさせ、そこからチームケミストリーを醸成し、今季も万全の態勢でプレーオフに臨むことだろう。
昨季挙げた65勝から勝ち星がダウンしたとしても、決してロケッツを侮ってはならない。
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