2020.08.23
3月28日(現地時間27日)終了時点で、ニューヨーク・ニックスはプレーオフ出場の道を閉ざされてしまったため、5シーズン連続でプレーオフを逃すこととなった。
エースのクリスタプス・ポルジンギスをケガで失い、黒星先行が続く中、キャリア5シーズン目の25歳、トレイ・バークが奮闘している。
昨年10月12日(同11日)にニックスと契約するも、わずか3日後に解雇となったバークは、Gリーグ(ウェストチェスター・ニックス)で平均26.6得点5.3アシスト2.0スティールと活躍し、1月15日(同14日)にニックスと複数年契約を勝ち取った。
3月26日(同25日)のワシントン・ウィザーズ戦でスターターに昇格したバークは、19得点3アシスト3スティールと活躍し、勝利に貢献。すると翌27日(同26日)のシャーロット・ホーネッツ戦で31投中19本のショットを決めるなどキャリアハイの42得点、アシストも12本を記録する大活躍を見せた。延長戦の末、チームは負けてしまったが、バークは見事なパフォーマンスを見せた。
バークは活躍する場を探し求めていたのかもしれない。
2013年ドラフト1巡目全体9位でミネソタ・ティンバーウルブズに指名後、ユタ・ジャズへとトレードされたバークは、ジャズで3シーズンをプレー。昨季はウィザーズでプレーするも、シーズン終了後は契約先が見つからない苦境に立たされていたことを考えれば、今の状況はバーク本人にとってうれしいに違いない。
185センチ86キロとガードながら屈強な体格を誇るバークは、今季ここまで29試合に出場し、平均19.0分12.2得点4.0アシスト。フィールドゴール成功率52.6パーセントは自己ベストを記録している。
そのバークが、3月28日(同27日)に現地メディア『CBS Sports』へ現在の心境を語った。
「僕はロールプレーヤーなんかじゃない。まだ道のりは長いけれど、僕は(NBAの)スターティングガードを務められると信じている。そして、(NBAで)オールスターになることができると強く信じている。心の中で、そういったことを信じ続けている」。
バークはルーキーシーズンに出場70試合中68試合でスターターを務めたものの、2シーズン目には76試合中43試合に減少し、3シーズン目は64試合すべてでベンチスタートとなった。ウィザーズでプレーした昨季は出場した57試合すべてでベンチスタートだった。
「これまでは失望と挫折が続いた。けれども、僕はキャリアが好転するだろうと思っていた。すべては僕自身のプレーと、どのようにアプローチしていくかだったんだ。今、僕は自分のことを誇りに思ってる。『僕には限界なんてないんだ』ってね」。
そんなバークが憧れているのはアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)。編み込まれた髪型も、どこかアイバーソンをほうふつとさせる。
「もちろん、これから先も長い道のりが待っていることは知ってる。でもA.I.(アイバーソンの愛称)が僕のゴールなんだ。彼はこれまでプレーしてきた選手の中で、最も偉大な選手の1人。僕もいつか彼のような位置にまで上り詰めたい。そう信じている」。
NBAには、毎年有望なルーキーがドラフトだけでなく世界各国からやって来る。そのため、キャリアをとおして先発ポイントガードの座を守っていると言える選手は、ほんの一握りしかいない。キャリアを重ねるにつれて、若手に経験を積ませるべくベンチスタートの役割を受け入れるベテランも数多い。
とはいえ、バークはまだ25歳。衰えるには早すぎる。42得点12アシストと爆発したことで、自身にとって最も能力を活かせる環境であれば、まだまだ先発級の実力があることは証明できた。
あとは、これから長いキャリアを送ることができるよう、実力を磨き、ゲームで最大限の力を発揮し続けたいところだ。
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