20年以上も連続してプレーオフへと導いてきた指揮官に絶大な信頼を置く新人
サンアントニオ・スパーズのルーキー、ロニー・ウォーカー四世は、今年のドラフト1巡目18位でスパーズに指名された196センチの長身ガード。
今年のサマーリーグには、ユタとラスベガスの2会場で計6試合に先発出場。平均26.8分11.2得点4.3リバウンド1.7アシスト1.3スティールを奪っており、スパーズが期待する若手の1人である。
もっとも、ウォーカー四世はまだ19歳。マイアミ大で1年プレーし、NBAドラフトにアーリーエントリーした新人で、法律上お酒も飲めない年齢の若者でもある。
そんなウォーカー四世には“もう1人の父親”がいる。それがスパーズの指揮官グレッグ・ポポヴィッチだという。
8月27日(現地時間26日)、ウォーカー四世は現地メディア『The Reading Eagle』へ、ポポヴィッチHCについてこう語っていた。
「彼は僕をすばらしい人間にしてくれると思う。1人の人間として僕を成長させ、進化させてくれるだろうね。僕の人生において、彼はもう1人の父親のような存在さ」。
1996-97シーズン途中から指揮を執るポポヴィッチHCは、20年以上もの間、スパーズを一線級のチームへと導いてきた。通算3度も最優秀ヘッドコーチ賞(COY)に選ばれているほか、通算勝利数(1,197勝)は歴代5位、通算勝率(68.9パーセント)は歴代4位を誇り、プレーオフにおける通算勝利数(167勝)は歴代3位と申し分ない実績を持つ。
2019年のFIBAワールドカップと2020年の東京オリンピックではアメリカ代表の指揮官を務めるポポヴィッチHCは選手たちをはじめ、チームスタッフやコーチングスタッフからの人望も厚い、偉大なコーチである。
ウォーカー四世も、ポポヴィッチHCの下でプレーできることにエキサイトしている。
「僕はとてもハッピーなルーキーだと思うよ。だって歴史上最も偉大なコーチの1人であるポポヴィッチHCと共にプレーできるんだから。彼とは本当の友人になれたから、もう信じられない気持ちさ。彼は(NBAにおける)夢と一般的な人生について話してくれるんだ」。
アメリカ代表の指揮官を務めることもあり、ポポヴィッチHCは19-20シーズンをもって勇退する可能性もあるため、偉大な指揮官の下でプレーできるウォーカー四世は強運の持ち主と言ってもいいかもしれない。
今季のスパーズは下馬評が低く、「プレーオフに出場できないだろう」という評価が多くを占めている。だが、昨季は大黒柱カワイ・レナード(現トロント・ラプターズ)をはじめケガ人が多かった中で、ラマーカス・オルドリッジを中心に47勝35敗の成績でウエスタン・カンファレンス7位となり、21シーズン連続でプレーオフに出場。
今夏にはオールスターガードのデマー・デローザンがレナードとのトレードで加わったこともあり、優勝候補筆頭とは呼べないものの、プレーオフ出場は十分可能な戦力を有している。下馬評を覆すべく、“もう1人の父親”と絶大な信頼を寄せるポポヴィッチHCの下、徐々に成長していくであろうウォーカー四世の活躍に期待したい。