2018.07.07

トニー・パーカーが17年プレーしたスパーズからホーネッツへ移籍「タフな決断だった」

「前に進むべきだった」と移籍の理由を語ったパーカー[写真]=Getty Images
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強豪スパーズで4度の優勝に貢献するなど主力として活躍

 7月7日(現地時間6日)、サンアントニオ・スパーズで17年間をプレーしたトニー・パーカーが、シャーロット・ホーネッツへ移籍することが複数の現地メディアの報道によって明らかとなった。

 『ESPN』によると、パーカーは2年1,000万ドルでホーネッツとの契約に合意したという。

 ベルギー生まれでフランス育ちのパーカーは、2001年ドラフト1巡目全体28位でスパーズから指名され、今季まで17シーズンをプレーしてきた。これまでのキャリアをとおして1,198試合(うち1,151試合は先発)に出場し、平均31.1分15.8得点2.8リバウンド5.7アシストを記録している。

 レギュラーシーズンにおける通算アシスト数(6,829本)でフランチャイズ史上1位を記録していることをはじめ、パーカーは総出場試合数(1,198試合)と総出場時間(3万7,276分)で2位、総得点(1万8,943得点)では4位に入るなど、スパーズというチームを象徴する選手の1人。

 07年のファイナルではMVPに輝くなど、プレーオフでもスパーズをけん引。NBA歴代6位となる226試合に出場し、総出場時間(7,758分)で8位、総アシスト数(1,143本)で5位、総得点(4,045得点)で9位にランクインする経験豊富なベテランである。

07年ファイナルでは平均24.5得点を挙げてファイナルMVPに輝いた[写真]=Getty Images

 ところが今季は2年目のデジャンテ・マレーに先発の座を譲るなど、いずれも自己最低となる平均19.5分7.7得点1.7リバウンド3.5アシストに終わっていた。

 パーカーは移籍に伴い、『The Undefeated』に対してこう語っている。

 「タフな決断だった。(特に)この3日間はタフだった。ポップ(グレッグ・ポポヴィッチHC)との会話はすべてがタフなものだった。でも僕は前に進むべきだったんだ。ポップとRC・ビュフォード(スパーズGM)との会話はとても感情的だった。僕はこの先もサンアントニオ・スパーズのことを愛していくだろう。僕はいつだってスパーズの一員さ。家族と家はサンアントニオにある」。

 一方で、ポポヴィッチHCはパーカーに対して感謝を述べている。

 「トニー・パーカーがスパーズというフランチャイズでどれだけ重要だったか、言葉で言い表すのは難しいことです。2001年、19歳だったTP(パーカーの愛称)の最初のゲームから、彼はとても印象的で、我々を触発してくれました。その後も時を経るごとに彼の情熱、献身と願望は大きくなり、我々に影響を与えてくれました。トニーが17年間にわたって本当にすばらしい思い出をもたらしてくれたことに、我々は感謝しています」。

ポポヴィッチHC(右)はルーキーイヤーからパーカー(左)を先発に起用し、チーム史に残る名PGへと育て上げた[写真]=Getty Images

新天地では自らの経験とリーダーシップを活かしてまずはプレーオフ返り咲きを目指す

 そして苦渋の決断の末、パーカーは新天地にホーネッツを選んだ。ホーネッツでプレーすることに対して、パーカーはこう話していた。

 「(ホーネッツで)プレーできることにエキサイトしている。僕のアイドル、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/現ホーネッツ筆頭オーナー)の前でプレーできるし、JB(ジェームズ・ボレーゴHC)とはサンアントニオで一緒だった。それに弟のようなニコラ・バトゥームもいる」。

 パーカーにとって、ホーネッツは新天地としてベストの選択肢だと言っていい。今夏ホーネッツの新指揮官に就任したボレーゴHCは、今季までの3シーズン、スパーズでACを務めており、コミュニケーションには問題ないだろう。バトゥームとはフランス代表として国際大会で何度もチームメートになっているため、スムーズにフィットできるのではないだろうか。

ホーネッツではボレーゴHC(右)と共に、パーカー(左)はチーム強化に尽力していく[写真]=Getty Images

 36歳のパーカーは来季、オールスターガードのケンバ・ウォーカーの控えとして出場することになる。ここ2シーズンというもの、プレーオフ進出を逃しているホーネッツにとって、パーカーのような百戦錬磨のベテランが加わったことはとても心強いはずだ。

 来季、ホーネッツのユニフォームを身にまとったパーカーが、切れ味鋭いドライブから高得点を連発することはあまり起こらないだろう。それでも、スパーズで主軸の1人として勝ち取った4度の優勝経験とリーダーシップは、プレーオフ返り咲きを狙うホーネッツを大きくプッシュするに違いない。