6年間過ごしたウルブズを離れ、キャブスでチャンピオンとなったラブ
今夏、クリーブランド・キャバリアーズと4年1億2,000万ドルで延長契約を結んだケビン・ラブ。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)が移籍したため、今季のキャブスはラブを中心に戦っていくこととなる。
今回は、トレーニングキャンプが近づく中、ラブが『The Daily Show』に出演し、今季に向けた意気込みを語っていたので紹介したい。レブロン退団後、キャブスの顔としてプレーする現状に対して、ラブはこう切り返していた。
「まるですべてのことがつながっているように感じてる。僕はミネソタ(・ティンバーウルブズ)で6年間、ベテランがほとんどおらず、若手ばかりのチームでプレーしてきた。そしてクリーブランドに来てからは、チャンピオンシップを勝ち取ることを期待される環境でプレーすることができた。レブロンがキャブスに帰還してから、彼ら(キャブス)は僕をトレードで獲得し、毎年優勝を勝ち取ることを期待されるチームになったんだ」。
キャリア最初の6シーズンを過ごしたウルブズで、ラブは徐々に成長を遂げてエースとなったものの、勝ち星を挙げることがなかなかできなかった。ウルブズ最後のシーズンとなった2013-14シーズンに40勝42敗を残すも、プレーオフに出場することができなかったのである。
すると14年夏にキャブスへトレードで移籍すると、レブロンとカイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)と共に“ビッグ3”を形成し、一躍優勝候補となった。プレーオフ初出場となった15年こそ、セルティックスとの1回戦で肩を負傷してしまい、戦線離脱となるも、翌16年以降はキャブスの主力として毎年ファイナルまで勝ち上がり、16年にはチャンピオンとなった。
今夏のキャブスはレブロンだけでなく、ジェフ・グリーンもワシントン・ウィザーズへ移籍。ドラフトでポイントガードのコリン・セクストン、トレードでサム・デッカー、フリーエージェント(FA)でチャニング・フライを獲得したものの、やはりレブロン移籍は大きく、キャブスが今季イーストでプレーオフに出場できると予想する海外メディアは多くない。
経験豊富なベテランを擁するキャブス、ラブを中心にどこまで勝てるか?
とはいえ、当時のウルブズと比較すれば、現在のキャブスにはトリスタン・トンプソンやJR・スミス、ジョージ・ヒルにカイル・コーバー、フライといったベテランが在籍している。今年2月にトレードで加入したジョーダン・クラークソンとラリー・ナンスJr.もおり、制限付きFAだったロドニー・フッドもクォリファイングオファーで合意し、今季はキャブスでプレーすることとなったため、昨季のロースターの大半は残っている。
それもあってか、ラブは今季のチームをポジティブに捉えていた。
「(レブロンが移籍したことで)今、新たな時代に向かおうとしている。世界のベストプレーヤーがいなくなったんだから、これはチャレンジになるだろうね。でも僕は多くの選手たちが、この機会だけでなく、何か成長することが期待できるチャレンジに対して、すごく興奮していると思ってる」。
下馬評こそ低いものの、キャブスのロースターが持つ経験はイーストでも有数と言っていいだろう。どれだけ低評価であろうとも、蓋を開けてみなければ今季キャブスがどうなるかなど決めつけることはできない。
「レブロン不在でどこまで勝つことができるのか」。おそらく今季のキャブスは、何度もレブロンが残してきた実績と比較されることになるだろう。そんな状況の中、もしも今季キャブスがプレーオフ出場を果たすことができれば、ラブも選手としての価値が一段階上昇することとなるに違いない。