ウォールやビールをプレーオフ1回戦突破へと導いた陰の参謀
9月13日(現地時間12日)、NBAで17シーズンもの間、アシスタントコーチ(以降AC)を務めてきたドン・ニューマン(享年60)が、がんのためこの世を去った。
RIP Don Newman. pic.twitter.com/j3x8zTTkNn
— Washington Wizards (@WashWizards) September 12, 2018
ニューマンACは、1980年のドラフト3巡目全体69位でボストン・セルティックスに指名されたものの、NBAではプレーせず、80年から83年までモンタナ・ゴールデンナゲッツ(CBA)でプレーし、現役を退いた。すると86年からはアメリカの高校、大学でACとしてのキャリアをスタート。
99年からNBAチームでACを務めることとなり、これまでミルウォーキー・バックス、ニュージャージー(現ブルックリン)・ネッツ、サンアントニオ・スパーズ、ワシントン・ウィザーズに所属してきた。
中でもスパーズでは約8年に渡ってACとしてグレッグ・ポポヴィッチHCをサポートし、2005、07年の優勝に貢献。12年から16年までは、ウィザーズでランディ・ウィットマン元HCと共にチームをけん引し、2度のカンファレンス・セミファイナル進出を果たしてきた。
決して表に出るようなACではなかったものの、ニューマンACはウィザーズに勝つ術を持ち込んだと言っていいだろう。
ウィザーズの大黒柱ジョン・ウォールは、現地メディア『NBC Sports Washington』の取材で、ニューマンACに対してこう口にしていた。
「僕のこれまでのキャリアにおいて、彼は最もすばらしい人物の1人だった。彼はスパーズの文化をこのチームに持ち込んでくれただけでなく、このチームにスパーズのシステムを導入し、自信を植え付けてくれたんだ。そして僕の能力を信じてくれた」。
一昨季から、ウィザーズはコーチングスタッフを刷新し、現在はスコット・ブルックスHCが指揮官を務めている。それでも、ウォールやブラッドリー・ビールなど、ニューマンACと共にプレーオフを勝ち上がった経験を持つ選手たちは、今は亡きACへ感謝しているに違いない。
その気持ちを胸に、今季はニューマンACと共に果たすことができなかった、カンファレンス・ファイナル進出を実現してほしいものである。