デローザンを「まるで息子のようだ」と語ったケイシーHC
昨季まで5シーズン連続でプレーオフ出場を果たしたトロント・ラプターズは、カンファレンス・ファイナルに一度(2016年)、カンファレンス・セミファイナルへ二度(17,18年)勝ち進んできた。
最終結果こそ、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)率いるクリーブランド・キャバリアーズに3年連続で敗れてしまい、ファイナル進出とはならなかったものの、1995-96シーズンにNBA加入後、最も好成績を残した5シーズンだったと言っていいだろう。
そのラプターズで強固な基盤を形成していたのが、オールスターデュオのデマー・デローザン(現サンアントニオ・スパーズ)とカイル・ラウリー(ラプターズ)、そしてドウェイン・ケイシーHC(現デトロイト・ピストンズHC)だったのは間違いない。
今夏、デローザンとケイシーHCはラプターズを離れてしまったものの、ケイシーHCはデローザンと7シーズンもの間、苦楽を共にしてきた。
9月15日(現地時間14日)、そのケイシーHCが『SiriusXM NBA Radio』に出演し、デローザンについて語っていたので紹介したい。
「デマー・デローザンは、(私にとって)息子のような存在でね。私は彼のことが大好きだ。彼には率直な父親と母親がおり、すばらしい男へと育ててくれたと思う。実は私がトロントでプレスカンファレンスへ向かっていった時、初めて会ったのが彼だったんだ。キャリア2年目だった彼がそこで正装していたよ。トロント時代を振り返るにあたり、彼はとても大きな部分を占めていたと思う。私は彼が成長していく姿を見ることが楽しかったし、オールスターに4度も選出される選手になったことをとてもうれしく思う」。
今季別々の道を歩むこととなったラプターズ史上最強チーム構築の立て役者たち
00年代中盤に約2シーズン、ミネソタ・ティンバーウルブズで指揮官を務めたケイシーHCだったが、ラプターズでは7シーズンもHCを務め、就任3シーズン目(13-14)からプレーオフチームへと躍進させた。
デローザンはケイシーHC就任後、エースとして成長し、昨季まで3年連続を含む通算4度のオールスターに選ばれるなど、リーグ有数のシューティングガードへと飛躍を遂げた。
ケイシーHCはデローザンについて、「過去2、3年において、ラプターズでベストのピック&ロールプレーヤーだった」と口にしていた。ケイシーHCによると、デローザンはラウリーと同じくらい、ピック&ロールを繰り出していたという。
今年2月に行われたオールスターゲームでは、チームこそ別々になってしまったものの、デローザンとラウリー、そしてケイシーHCが初めて同じオールスターという大舞台に立った。ファイナル進出こそ実現できなかったとはいえ、この3人は長年同じチームで成長し合い、昨季はイーストトップかつフランチャイズ史上ベストとなる59勝(23敗)を挙げた。彼らが残した昨季の実績は、ラプターズ史上最強チームと評してもいいはずだ。
今季はデローザンがスパーズ、ケイシーHCがピストンズの指揮官となり、ラウリーはニック・ナース新HCの下、ラプターズをけん引していくこととなる。彼らがコート上で再会し、どんな会話を交わすのか、とても楽しみである。