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マヌ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)、デイビッド・ウェスト(元ニューオリンズ・ホーネッツほか)といったベテランが現役引退を表明する中、NBAの舞台に復帰することを強く望む選手がいる。
男の名はクリス・ボッシュ。ウェストと同じ2003年のドラフト1巡目4位でトロント・ラプターズから指名されたボッシュは、03-04シーズンから09-10シーズンまでラプターズの主軸としてプレー。5度のオールスター選出を果たし、平均37.0分20.2得点9.4リバウンド2.2アシスト1.2ブロックを残した。
10年夏にマイアミ・ヒートへ移籍すると、ドラフト同期のレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、ドウェイン・ウェイド(現未所属)と共に“スリーキングス”を形成。211センチ106キロのパワーフォワードは、スモールラインナップではセンターを務め、オフェンスだけでなく、機敏なフットワークを駆使してディフェンス面でも貢献し、12、13年にはヒートの2連覇に大きく貢献。
14年夏にレブロンが古巣クリーブランド・キャバリアーズへ移籍すると、ウェイドと共にヒートのエース格として活躍を期待されていた。
ところが、14-15シーズンと15-16シーズンのオールスター期間中に血栓が発覚し、シーズン絶望を余儀なくされた。
すると昨年7月5日(現地時間4日)、ヒートはボッシュへ感謝を示しつつも解雇。今年2月には現地メディア『ESPN』の『First Take』に出演し、「僕は今もジムで練習している。まだバスケットボールがプレーできるよ。まだ終わっていない。復帰するために努力しているんだ」と語っていたが、昨季ボッシュと契約を結ぶチームは現れなかったのである。
今夏、レブロンがレイカーズへ移籍した際に、『Sporting News』がボッシュとも契約するかもしれないと報じていたが、現時点でボッシュ獲得に関心を持つチームは事実上不在と言っていいだろう。
そんな中、ボッシュが『Yahoo Sports』へ現状についてコメントしていたので紹介したい。8月31日(同30日)、ボッシュは同メディアへ復帰についてこのように語っていた。
「そうだね。(復帰に対する考えは)今もあるよ。僕は楽しみにしている。今でも(試合に出場できない)いら立ちを乗り越え、何かをつかもうとトライしているんだ。(コートでプレーできることを)チャレンジと捉え、楽しみにしている。僕はまだプレーできるし、どこかのチームで“3&D”として貢献できると思ってる」。
レブロン移籍後にプレーしたヒートでの2シーズン、ボッシュは3ポイントシュート試投数を平均3.8本以上まで伸ばし、成功数は平均1.4本以上、成功率でも36パーセント以上という及第点の成績を収めている。
ボッシュ本人が語ったように、3ポイントシュートとディフェンスに特化した“3&D”タイプの選手としてならば、今でもプレーすることができるはずだ。
その一方で、ボッシュは復帰におけるデッドラインも設けているのだろう。
「もし(来年の)2月に復帰することができなければ…(厳しいかもね)」。
ボッシュが最後にコートへ立ってプレーしたのは16年2月10日(同9日)。来年の2月で3年が経過することとなる。来年3月24日に35歳を迎えるボッシュにとっては、トレード・デッドライン、そしてプレーオフへのロースター登録の期限となる3月上旬付近を最終期限と見ているのかもしれない。
キャリア13シーズンでオールスター選出11度を誇るボッシュは、キャリア平均35.8分19.2得点8.5リバウンド2.0アシスト1.0ブロックを記録してきた。
このままキャリアが終わってしまうのは、ボッシュだけでなくメディアやファンにとっても惜しいはず。ボッシュが掲げるラストチャンスに期待したい。
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