2018.08.31

現役復帰を目指す34歳のクリス・ボッシュ「僕はまだプレーできる」

2016年2月を最後にコートから遠ざかっているボッシュ[写真]=Getty Images
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オールスター選出11度を誇るスコアリングフォワード

 マヌ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)、デイビッド・ウェスト(元ニューオリンズ・ホーネッツほか)といったベテランが現役引退を表明する中、NBAの舞台に復帰することを強く望む選手がいる。

 男の名はクリス・ボッシュ。ウェストと同じ2003年のドラフト1巡目4位でトロント・ラプターズから指名されたボッシュは、03-04シーズンから09-10シーズンまでラプターズの主軸としてプレー。5度のオールスター選出を果たし、平均37.0分20.2得点9.4リバウンド2.2アシスト1.2ブロックを残した。

ラプターズでは5シーズン連続で平均20得点をマークするなどエースとして活躍[写真]=Getty Images

 10年夏にマイアミ・ヒートへ移籍すると、ドラフト同期のレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、ドウェイン・ウェイド(現未所属)と共に“スリーキングス”を形成。211センチ106キロのパワーフォワードは、スモールラインナップではセンターを務め、オフェンスだけでなく、機敏なフットワークを駆使してディフェンス面でも貢献し、12、13年にはヒートの2連覇に大きく貢献。

 14年夏にレブロンが古巣クリーブランド・キャバリアーズへ移籍すると、ウェイドと共にヒートのエース格として活躍を期待されていた。

 ところが、14-15シーズンと15-16シーズンのオールスター期間中に血栓が発覚し、シーズン絶望を余儀なくされた。

 すると昨年7月5日(現地時間4日)、ヒートはボッシュへ感謝を示しつつも解雇。今年2月には現地メディア『ESPN』の『First Take』に出演し、「僕は今もジムで練習している。まだバスケットボールがプレーできるよ。まだ終わっていない。復帰するために努力しているんだ」と語っていたが、昨季ボッシュと契約を結ぶチームは現れなかったのである。

 今夏、レブロンがレイカーズへ移籍した際に、『Sporting News』がボッシュとも契約するかもしれないと報じていたが、現時点でボッシュ獲得に関心を持つチームは事実上不在と言っていいだろう。

12年はサンダー、13年にはスパーズを下して2連覇を飾ったボッシュ[写真]=Getty Images

“3&D”としてプレー可能なボッシュ、来年2月が現役復帰のデッドラインか?

 そんな中、ボッシュが『Yahoo Sports』へ現状についてコメントしていたので紹介したい。8月31日(同30日)、ボッシュは同メディアへ復帰についてこのように語っていた。

 「そうだね。(復帰に対する考えは)今もあるよ。僕は楽しみにしている。今でも(試合に出場できない)いら立ちを乗り越え、何かをつかもうとトライしているんだ。(コートでプレーできることを)チャレンジと捉え、楽しみにしている。僕はまだプレーできるし、どこかのチームで“3&D”として貢献できると思ってる」。

 レブロン移籍後にプレーしたヒートでの2シーズン、ボッシュは3ポイントシュート試投数を平均3.8本以上まで伸ばし、成功数は平均1.4本以上、成功率でも36パーセント以上という及第点の成績を収めている。

3ポイントだけでなく、ミドルレンジから放つショットも安定感抜群の破壊力を誇っていた[写真]=Getty Images

 ボッシュ本人が語ったように、3ポイントシュートとディフェンスに特化した“3&D”タイプの選手としてならば、今でもプレーすることができるはずだ。

 その一方で、ボッシュは復帰におけるデッドラインも設けているのだろう。

 「もし(来年の)2月に復帰することができなければ…(厳しいかもね)」。

 ボッシュが最後にコートへ立ってプレーしたのは16年2月10日(同9日)。来年の2月で3年が経過することとなる。来年3月24日に35歳を迎えるボッシュにとっては、トレード・デッドライン、そしてプレーオフへのロースター登録の期限となる3月上旬付近を最終期限と見ているのかもしれない。

 キャリア13シーズンでオールスター選出11度を誇るボッシュは、キャリア平均35.8分19.2得点8.5リバウンド2.0アシスト1.0ブロックを記録してきた。

 このままキャリアが終わってしまうのは、ボッシュだけでなくメディアやファンにとっても惜しいはず。ボッシュが掲げるラストチャンスに期待したい。

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