11月20日(現地時間19日)終了時点で、NBAの2018-19レギュラーシーズンは開幕から約1か月が経過し、ここまで247試合が行われた。全体(1,230試合)の約20パーセントを消化したのだが、今季は例年以上にハイスコアが顕著となっている。
リーグ全体の平均得点だけを見ても、今季は110.4得点を記録している。これにより、6シーズン連続で平均100得点以上を残しているのだが、平均110得点の大台突破は1985-86シーズン(平均110.2得点)以来、約33年ぶり。
その中で、選手個人による超絶パフォーマンスが増えているのも事実。『ESPN Stats & Info』によると、12月を迎える前の時点で6選手が50得点以上を挙げたのはNBA史上2度目だという。つまり、今季は歴史的なパフォーマンスが展開されていると言っていい。
ここでは、今季50得点以上を挙げた6選手の超絶パフォーマンスを振り返ってみたい。
※チーム名は略称、達成日から順に掲載、日付はすべて現地時間
■10月23日 ブレイク・グリフィン(ピストンズ):50得点
勝負どころでエースとしての役割を見事に果たしてキャリアハイの得点を奪う
今季初の50得点超えをマークしたのはグリフィン。延長にもつれ込んだシクサーズとの激戦で、グリフィンはフィールドゴール35投中20本(うち3ポイントは10投中5本)、フリースロー11投中5本を決めてキャリアハイの50得点。第2クォーターだけで22得点を奪うと、第4クォーター終盤には延長へ持ち込むジャンパー、2点ビハインドで迎えた延長残り1.0秒には決勝点となる3ポイントプレーを完遂し、勝利の立て役者に。
■10月24日 ステフィン・カリー(ウォリアーズ):51得点
驚異的なスコアリングラッシュで自身6度目の50得点超えを達成!
開幕直後に自身6度目の50得点超えを記録したカリー。ホームのオラクル・アリーナで行われたウィザーズ戦で、16投中11本の3ポイントを沈める怒濤のスコアリングショーを披露。出場時間わずか31分35秒で達成し、リーグ最強の3ポイントシューターであることを世界中に誇示してみせた。
■10月29日 クレイ・トンプソン(ウォリアーズ):52得点
30分未満の出場時間でリーグ新記録となる14本の3ポイントを成功!
今季開幕から極度のシューティングスランプに陥っていたトンプソンが、ブルズ戦で大爆発。前半だけでリーグトップタイとなる10本の長距離砲を沈めると、第3クォーター中盤に14本目の3ポイントを決めてNBA新記録を樹立。トンプソンはこの試合、26分33秒のプレータイムながらフィールドゴール29投中18本(うち3ポイントが24投中14本)、フリースロー2本すべてを決め切り、自身3度目の50得点ゲームをマーク。
■10月31日 デリック・ローズ(ウルブズ):50得点
世界中のスポーツファンに感動をもたらした“進化版”ローズ
ジミー・バトラー(現シクサーズ)、ジェフ・ティーグ、タイアス・ジョーンズを欠く中、スターターとして出場したローズは、リーグ有数のディフェンス力を誇るジャズ相手に得点を量産。第3クォーターだけで19得点、最終クォーターには15得点を奪う猛攻を見せて勝利の殊勲者となった。この日のローズはフィールドゴール31投中19本(うち3ポイントは7投中4本)、フリースロー11投中8本を決めてキャリアハイとなる50得点。試合終盤にはウルブズ勝利を決定づけるブロックも決めてみせた。2011年のシーズンMVP獲得時ほどの爆発的な身体能力こそ失ったものの、ローズは独特の間から繰り出す数々のスキルと得点への執念を見せ、技巧派として台頭。相次ぐ膝の負傷からはい上がってきた男が試合後に見せた涙は、世界中のスポーツファンへ感動を与えたに違いない。
■11月17日 ケンバ・ウォーカー(ホーネッツ):60得点
アイバーソン以来、史上2人目の記録を達成した“小さな巨人”
ジョエル・エンビード(シクサーズ)に第1クォーターだけで18得点を奪われ、劣勢の展開となる中、ケンバが大爆発。第4クォーター残り16秒に延長へと持ち込むフリースロー2本を決めるなど後半だけで35得点を奪取。ホーネッツは延長終盤にケンバがジミー・バトラーのブロックを浴び、そのバトラーに決勝弾を沈められて惜敗してしまうも、この日ケンバが見せたパフォーマンスは圧巻のひと言。フィールドゴール34投中21本(うち3ポイントは14投中6本)、フリースロー12本をすべて成功させた。6フィート1インチ(185センチ)以下の選手として、ケンバ(185センチ)はアレン・アイバーソン(元シクサーズほか/183センチ)に次ぐ史上2人目の60得点超えを成し遂げた。
■11月18日 レブロン・ジェームズ(レイカーズ):51得点
直近3試合のうち2度も40得点超えを記録する“キング・レブロン”
14日のブレイザーズ戦で44得点を挙げていた“キング”は、古巣マイアミへ凱旋したヒートとの一戦でまたもやスパーク。第1クォーターだけで19得点をマークすると、着実に点を重ねていき、試合終盤にディープ3をねじ込んで自身12度目の50得点超え。この日のレブロンはフィールドゴール31投中19本(うち3ポイントは8投中6本)、フリースローを10投中7本決める活躍でヒートを蹴散らした。相手選手だけでなく、チームメートたちも「3ポイントが入り出したら止めようがない」とあらためて思ったに違いない。キャリア16シーズン目のレブロンは、今年12月30日に34歳を迎えるものの、まったくと言っていいほど衰えを感じさせないパフォーマンスを見せている。