2018.11.01

キャリアハイの50得点を奪ったデリック・ローズ「今の気持ちを言葉では表現できない」

第4クォーターだけで15得点、勝利を決定付けるブロックも決めたローズ[写真]=Getty Images
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ディフェンス巧者のジャズ相手に決勝弾と値千金のブロックを決めたローズ

 11月1日(現地時間10月31日)、ミネソタ・ティンバーウルブズはホームのターゲット・センターでユタ・ジャズとの一戦に臨んだ。

 ウルブズはジミー・バトラー(休息)をはじめジェフ・ティーグ、タイアス・ジョーンズがケガのため不在と、万全の戦力とは言い難いロースターでリーグ屈指のディフェンス力を誇るジャズに挑むこととなった。

 ゲームはドノバン・ミッチェルの3ポインターでジャズが先取点を奪うも、この日先発出場したデリック・ローズがお返しとばかりに長距離砲を放り込み、すぐさま同点に追いつくと、両チームは激しい点の取り合いへ。

 するとこの試合は、徐々にローズの独壇場と化していく。前半で16得点を挙げたローズは、65-56とウルブズ9点リードで迎えた後半に勢いを増していく。ローズは第3クォーターだけで19得点をもぎ取り、ウルブズをけん引。

ドライブからレイアップにフローター、ジャンパーと自在にスコアリングしていったローズ[写真]=Getty Images

 そして驚異的だったのは第4クォーターだった。このクォーター、5点ビハインドで迎えたジャズは、ダンテ・エクサムジェイ・クラウダーの8連続得点で一気に逆転。ウルブズはアンドリュー・ウィギンズの3ポイントで同点とするも、残り7分54秒でジャズが110-104と6点をリード。

 そこでローズが立ち上がる。残り7分22秒で決めたショットを皮切りに、フリースロー2本、ドライブ、3ポインターを決めてジャズとのシーソーゲームを互角に戦う。

 絶好調のローズは残り54.6秒にドライブから技ありのフェイクでルディ・ゴベアを交わして得点し、ウルブズに1点リードをもたらす。その後ゴベアのフリースロー1本で同点に追いつかれると、残り30.0秒にウルブズを2点リードへと導くショットをねじ込む。

 さらに、ローズは残り13.8秒でフリースロー2本を決め切ると、残り2.7秒でエクサムの3ポイントをブロックする殊勲の働きを見せ、勝利の立て役者に。

 第4クォーターだけで15得点をもぎ取ったローズの活躍もあり、ウルブズは最終スコア128-125でジャズを振り切り、今季4勝目を挙げた。

 「彼は多くのプレーを決め切った。いくつものタフショットを決めていた。我々のディフェンスは何度か崩壊してしまった」とジャズのクイン・スナイダーHCが試合後に『AP』へ明かしたように、ローズはこの日、NBAいや世界で最高のスコアラーとしてジャズに立ちふさがった。

 ローズはこの試合、約41分に出場してフィールドゴール31投中19本、うち3ポイントを7投中4本決め、フリースロー11投中8本を成功させてキャリアハイの50得点。さらに4リバウンド6アシスト2スティールをマーク。キャリア10シーズン目にして、自己最高とも呼べるパフォーマンスを見せつけたのである。

「これまで必死にやってきた」と感涙しながら語ったかつてのMVP

 シカゴ・ブルズでNBAデビューを果たしたローズは、2009年に新人王を獲得し、11年には史上最年少のシーズンMVPに輝いたスーパースターだった。ところが12年のプレーオフ以降、度重なる膝の負傷で徐々に輝きを失い、ロールプレーヤーへと転落。

 だが、ローズは決して自信を失ってはいなかった。どんな状況であろうと、ローズはMVPを獲得した当時のレベルへと復活すべく、懸命にプレーしてきたのである。

残り約1分でローズが仕掛けたボールフェイク。絶妙なタイミングと鮮やかさで会場を沸かせた[写真]=Getty Images

 昨季途中にウルブズと契約を結んだローズは、今夏にベテラン最低年俸でウルブズと再契約。今季はシックスマンとして平均14.3得点4.0リバウンド4.9アシストとまずまずの成績を残してきた。

 だからこそ、この日キャリアベストの50得点、そして勝利を決定づけるブロックも決め切ったローズの目から、これまでの感情があふれ出し、涙がこぼれ出したのだろう。

 「僕はこれまで必死にやってきた」と試合後にローズが語ったこの言葉には、ほかのNBA選手とはまた違った重みを感じることができた。ローズは会場に集まったファンに対して「このチームとファンの皆さん、そしてこのウルブズという組織のためにやり遂げました。僕は自分にできるすべてのことを、勝利するためにこなしました。今夜は本当にすばらしい夜でした」と続けた。

 試合後の会見で「まだ実感がわかないんだ。今、僕がどのように感じているかを言葉で表すことはできない。久しぶりだからね」とローズは明かしたが、この日ローズが見せた感動的なパフォーマンスは、ローズを知る世界中のファンやメディア、そして選手たちにも感動を与えたことは言うまでもない。

 ハロウィーンの日に、数多くの選手たちが仮装して試合会場へ乗り込む中、全盛期のオーラを放ち、強烈なインパクトを与えたローズは、この日バスケットボール界で最も輝いていた。

この日、ローズは世界中のスポーツファンに感動をもたらした[写真]=Getty Images

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