「すごくいい思い出になった」と古巣凱旋を振り返ったパーカー
1月15日(現地時間14日)、サンアントニオ・スパーズはホームのAT&Tセンターでシャーロット・ホーネッツとの一戦に臨んだ。
この試合はエースのケンバ・ウォーカーがゲームハイの33得点に4リバウンド5アシスト2スティールの大活躍を見せ、アウェーのホーネッツが108-93で快勝。今季成績を20勝23敗とした。
試合を終えたケンバは、「僕らは彼のために、本当にこの試合で勝利したかったんだ。トニーのためにね」とコメント。
Welcome back to San Antonio, Tony!#SpursFamily pic.twitter.com/0alzQ5aepF
— San Antonio Spurs (@spurs) January 15, 2019
今季からホーネッツに加入したトニー・パーカーにとって、この試合は昨季まで17シーズンを過ごし、4度の優勝を勝ち取ったスパーズへの初となる凱旋。試合前にスパーズは、パーカーへ約2分間のトリビュート・ビデオを会場で流し、フランチャイズの発展に大きく貢献した殊勲者を称える演出で温かく迎えた。パーカーはこの試合についてこう振り返っている。
「精神的にも、感情的にも疲れてしまったよ。今夜はただただすばらしい夜になった。ファンの皆に感謝したい。彼らが見せてくれた対応は、まさに信じられないものだった。僕はすべてにおいて感謝している。(今夜は)すごくいい思い出になったし、最高の夜になった。今夜のことは残りの人生でも大切にしていくよ」。
パーカーはこの試合で約19分プレーし、8得点3リバウンド4アシストで勝利を演出。昨季までの3シーズン、スパーズでアシスタントコーチを務めて今季からホーネッツの指揮官へと昇格したジェームズ・ボレーゴHCは、第4クォーター残り8分15秒にパーカーが決めたレイアップを絶賛。「あれはまさにビンテージのトニーだった。我々が以前、このアリーナで何度も見てきたプレーだった」と口にしている。
スパーズ退団後も、フランチャイズを代表する選手として記憶されるレジェンド
2001年にNBA入りしたパーカーを指揮官として17シーズン指導してきたグレッグ・ポポヴィッチHCも「彼は最高の人間なんだ。我々のチームにおいてすばらしい選手だったから、彼がこの日に受けた歓迎は、これまでの実績を思えば十分に値する。それは間違いないね」と“息子”の凱旋を心から喜んでいた。
パーカーは試合前の時点で、昨季までのホームの観客たちが見せた応対に「鳥肌が立った」と明かし、この日の古巣スパーズ戦をこう締めくくった。
「僕は今でもスパーズのことを大切に思っている。だから敵として戦うなんて、なんだかとてもおかしかったね。僕はこの試合でナーバスになっていたかはわからないけど、なんかいつもよりもちょっと変だったんだ。彼ら(ホーネッツのチームメートたち)は試合前、僕に対して『君の力が必要なんだ』と言ってくれたんだけど、試合が始まると『おいおい、どうしていつものようにアウェーゲームができないんだ? 言い訳なんて通用しないぜ。僕は今、このチームの一員なんだから』って感じでぎくしゃくしてたんだ。それにしても、この日見せてくれたトリビュート・ビデオは本当にすばらしいものだった。たくさんの愛をありがとう」。
ホーネッツへ移籍後、「スパーズの一員として引退したい」と漏らしていたパーカー。優勝5度というすばらしい偉業を成し遂げたスパーズというフランチャイズにおいて、パーカーは今なおレジェンドとしてファンの脳裏に焼き付いている。