2月1日(現地時間1月31日)、ダラス・マーベリックスとニューヨーク・ニックスの2チーム間でトレードが成立した。
このトレードの目玉は、ニックスのオールスター、クリスタプス・ポルジンギスだろう。ラトビア出身のポルジンギスは、221センチ108キロというサイズで何でもこなす23歳。昨年2月上旬に左膝の前十字靭帯を断裂するまで、平均22.7得点6.6リバウンド2.4ブロックをマークし、オールスターにも選出されるインパクトを放っていた。
では、マブスとニックスのトレード詳細を見てみよう。
※G=ガード、F=フォワード、C=センター
■マブス獲得
クリスタプス・ポルジンギス(F-C)
ティム・ハーダウェイJr.(G)
コートニー・リー(G)
トレイ・バーク(G)
■ニックス獲得
デニス・スミスJr.(G)
ディアンドレ・ジョーダン(C)
ウェスリー・マシューズ(G-F)
2021年のドラフト1巡目指名権
2023年のドラフト1巡目指名権(条件付き)
<マブス>
ドンチッチとポルジンギスによる魅力的なデュオを形成
1月31日(同30日)終了時点で、ウエスタン・カンファレンス12位(23勝27敗)のマブスは、新人ルカ・ドンチッチを中心としたチームへシフト転換。2年目のスミスJr.に加え、ジョーダンとマシューズというベテランをニックスへと放出し、ポルジンギスと3人のガードを獲得。
ポルジンギスは今季終了後に制限付きフリーエージェント(FA)になるため、来季以降の去就は不明ながら、マブスは今夏に長期高額契約を結ぶ考えだという。リーグの情報筋が『ESPN』へ伝えたところによると、「ポルジンギスはルカとダーク(・ノビツキー)のことが大好きなんだ」と報じており、来季もノビツキーが現役としてプレーする可能性があることを示唆。ドンチッチとポルジンギスは、異なるタイプのオールラウンダーによる魅力的なデュオとして注目を浴びそうだ。
New duo in Dallas 😱 pic.twitter.com/L1LXPEI3yS
— Bleacher Report (@BleacherReport) January 31, 2019
なお、ハーダウェイJr.とリーは来季も1,000万ドル(約10億8,000万円)以上の契約が残るものの、マブスにフィットすれば活躍できるはず。バークの年俸は約180万ドル(約1億9,440万円)で、今季終了後に制限なしFAとなるが、今季はドンチッチの控えとして得点力を持ち込むことが期待されている。
<ニックス>
今夏オールスターを2人獲得可能、ニックスが目論む理想のシナリオとは?
31日(同30日)終了時点でリーグワーストの10勝40敗と低迷するニックスは、今季終了後に制限付きFAとなるポルジンギスとの延長契約を厳しいと判断し、大胆なトレードを成立。スミスJr.獲得により、ポイントガードがエマニュエル・ムディエイ、フランク・ニリキナと3人体制になるが、すでにプレーオフ出場は絶望的と言っていい状況だけに、若手のアピールの場になってもおかしくはない。
ニックスが獲得したジョーダンとマシューズは、今季の合計年俸が約4,152万ドル(約44億8,416万円)と高額ながら、契約は今季限り。つまり、ニックスは今夏にオールスタークラスの選手を2人も獲得できるキャップスペースを手にしたということ。今後、両選手はニックスでプレーせずに契約をバイアウト(買い取り)して、他チームへと移籍することも十分考えられる。
今夏ニックスが狙う大物FAは、おそらくケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)だろう。両選手は今夏、プレーヤーオプションを破棄して制限なしFAになることが濃厚だからだ。
さらに、このままリーグ最下位の成績でシーズンを終えると、今年のドラフト上位指名権を手にする可能性が高い。もしトップ3の指名権を手にすることができれば、デュラントやビンス・カーター(アトランタ・ホークス)らも注目するデューク大の1年生、ザイオン・ウィリアムソンを獲得できるかもしれない。
デュラント、カイリー、ウィリアムソン。現時点でこのトリオが実現するかどうかは不透明ではあるものの、賭けてみる価値は十二分にあるのではないだろうか。