今季はケガを完治させるために全休する予定だとマブスのオーナーが明かす
2月1日(現地時間1月31日)、ダラス・マーベリックスはニューヨーク・ニックスとのトレードで、オールスターフォワードのクリスタプス・ポルジンギスを獲得。
221センチの長身ながらガードのようなプレーを見せる23歳は、ポストプレーからドライブ、ジャンパー、3ポイントまでこなせるオフェンス力を誇る。さらに会場を沸かせる強烈なダンクや豪快なブロックなど、華やかさも兼備するオールスタープレーヤー。
ポルジンギスは昨年2月に左膝の前十字靭帯を断裂したため、現在も復帰に向けてリハビリ中なのだが、マブスのオーナーを務めるマーク・キューバンは『ESPN』に対して、「たぶん今季はプレーしないだろう」と語った。
マブスは2日(同1日)終了時点でウエスタン・カンファレンス12位(23勝28敗)。プレーオフ出場圏内にいる8位のロサンゼルス・クリッパーズとは4.5ゲーム差と、決してプレーオフ出場が絶望的になったわけではない。
センセーショナルな活躍を続けるルカ・ドンチッチに加えて、ポルジンギスが戦列復帰することができれば、今季プレーオフにも出場できる可能性はあっただけに残念だと思うファンもいるだろう。
ポルジンギスは今季終了後に制限付きフリーエージェント(FA)となる。もし仮に、来季は約751万ドル(約8億1,859万円)のクォリファイングオファーを受けてマブスでプレーしようとも、2020年夏には制限なしFAとなるため、移籍する可能性も否定できない。
それでも、「彼はルカとダーク(・ノビツキー)のことが大好きなんだ」とリーグの情報筋が明かしたように、ラトビア出身のポルジンギスにとって、スロベニア出身のドンチッチ、自身のアイドルの1人でもあるドイツ出身のノビツキーがいるマブスは魅力的に映っているようだ。
ノビツキーが現役続行となれば、ポルジンギスは確実にマブスと再契約を結ぶ?
ポルジンギスの去就に大きな影響を与えるのは、ノビツキーの存在だと言っていいだろう。両選手は17年夏にヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)で行われた「NBAアフリカゲーム」で、ワールドチームの一員として共にプレー。
当時について、ノビツキーは「僕らはヨハネスブルグで何度か一緒に過ごしたんだ。ビジネスやバスケットボールについて語り合った。そこで僕は、彼がいい選手、ハードワーカーなんだと感じた。そして(マブスに)フィットするだろうな、と思ったんだ」とチームのウェブサイトに明かしている。さらにノビツキーはポルジンギスについて、このように絶賛している。
「彼にはパワーフォワードでプレーするのに十分な機動力があり、センターとしてもプレーできる。彼は動けるし、ブロックショットを決めることができ、ポストプレーも可能だ。(昨年2月に)ケガをするまで、オールラウンドなゲームをプレーしていた。彼は選手として向上するためにワークアウトをしていく意思があり、偉大な選手になりたがっている。それにいいヤツだし、チームプレーヤーでもあるんだ」。
ノビツキーはドンチッチとポルジンギスというインターナショナル・デュオについて「見ていて楽しいだろうね」と語っており、マブスが下した決断について好印象を抱いている。
これまでのキャリアで、ノビツキーはショーン・ブラッドリー(元マブスほか)やジュワン・ハワード(元ワシントン・ブレッツほか)、タイソン・チャンドラー(現ロサンゼルス・レイカーズ)といったビッグマンとプレーしてきたが、ポルジンギスのようなタイプの選手とプレーするチャンスがあるのは初めてだろう。
「(ポルジンギスは)間違いなくアスレティック能力に優れているからね。彼はピック&ロールからリングへと向かっていくことができるし、リム付近でフィニッシュすることもできる。それにアウトサイドから得点できるんだから、(ディフェンダーからしたら)悪夢だろうね」とコメントしているため、一緒にプレーすることに関心があることは確かだ。
キャリア21シーズン目のノビツキーは、今年のオールスターゲームにおいて、特別枠としてドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート)と共にプレーすることとなった。ウェイドは今季限りでNBAから引退することを表明している一方で、ノビツキーは引退について明言はしていない。
今年6月に41歳を迎えるノビツキーが、来季もプレーするかどうかは現時点では未定だ。もし現役続行になったとしても、他チームでプレーすることは考えられない。
そのため、ノビツキーが来季もプレーすることを断言すれば、ポルジンギスはマブス残留を決断し、来季以降の長期高額契約を結ぶのではないだろうか。