2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
※チーム分けのドラフトは2月8日(同7日)のため、リザーブ選手を順に紹介
■オールスター出場選手②
ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
ガード/208センチ/104キロ/キャリア2年目
Twitterアカウント:@BenSimmons25
Instagramアカウント:@bensimmons
<NBAにおける主な記録・功績>
新人王:2018
<2018-19シーズン 個人成績>
平均33.5分16.8得点9.5リバウンド8.1アシスト1.3スティール
※2月2日(現地時間1日)終了時点
3ポイント全盛の中、独自のプレースタイルを貫く希少な若手スター
キャリア2シーズン目を迎えた今季、シモンズは昨夏特訓していた3ポイントを1本しか放っておらず、キャリア2年で計132試合をプレーして1本も決めていない。今季は16フィートから3ポイントライン手前までのアウトサイドシュートも12本放って1本しか成功していない。
それでも、昨季(平均15.8得点8.1リバウンド8.2アシスト)を上回る成績を残しており、フィールドゴール成功率でも昨季(54.5パーセント)を上回る57.4パーセントと、高確率にショットを決めている。
その秘訣はペイントエリアを主戦場としていることにほかならない。フィールドゴール全体の約6割をリング下から放っており、7割超えと驚異的な確率でショットを決め切っている。全クォーターにおいて5割以上の成功率を残すシモンズは、勝負がかかった第4クォーターではさらに集中力が増しており、62.7パーセントと最も高い成功率を記録。
208センチ104キロという恵まれた身体にスピードとクイックネス、パワーを兼ね備えたシモンズは、今季すでに8度のトリプルダブルを達成している。1月24日(同23日)に行われたサンアントニオ・スパーズ戦では21得点10リバウンド15アシストを記録して勝利に貢献し、史上3番目の若さで通算20度目に到達した。
2月1日(同1月31日)にオラクル・アリーナで行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では、ジョエル・エンビードと並ぶチームトップタイの26得点に8リバウンド6アシスト3スティール1ブロックと大暴れを見せ、王者の連勝を11でストップする立て役者の1人に。
オフェンス面では自身のサイズを最大限に活かしたポストプレーやアクロバティックなアシストで数字を重ねていき、ディフェンス面でもウォリアーズから貴重なスティールを奪うなど出鼻をくじく働きで、強烈なインパクトを与えた。
オーストラリア出身のシモンズは、まだ22歳ながらすでに独特のオーラを身にまとっている。3ポイント全盛と言っても過言ではない現代において、ここまで独自のプレースタイルで確かな足跡を残している。
「僕はチャンピオンシップを勝ち取ることを夢見て育ってきた。オールスター出場ではないんだ」と『ESPN』へ語っていたシモンズについて、「ふてぶてしい」「生意気」「偉そうだ」といった意見が飛び交っていることは否定できないものの、シモンズはみなぎる自信を隠し切れず、つい口に出してしまうタイプなのだろう。
とはいえ、負けず嫌いで闘争心の塊とも言えるシモンズは、そういったネガティブな意見さえも気にせず、むしろモチベーションへと変えてしまうほどの精神的強さも兼備していると言っていい。今年のオールスターゲームではディアンジェロ・ラッセル(ブルックリン・ネッツ)と並んで最年少となるが、シモンズは堂々と自分のプレーを見せてくれるに違いない。
<オールスターモーメント>
昨年のライジンスグターズでゲームハイの13アシストを記録
ルーキーシーズンとなった昨季は、「WORLDチーム」の一員としてライジングスターズへ出場。スターターとしてプレーしたシモンズは、11得点6リバウンド4スティールにゲームハイの13アシストをマーク。
シクサーズのチームメートたちが「オペラ好き」と明かしたように、シモンズは独特のリズムからドライブやパスを繰り出し、大会を大いに盛り上げた。特にシモンズのパスはNBA全体で見ても唯一無二と言えるほどクリエーティブで、一瞬ときが止まったかのような錯覚に陥るほどエンターテインメント性にあふれている。
初出場となる今年のオールスター本戦とライジングスターズでも、要所で自慢のボールさばきと豪快なダンクをたたき込んでくれるのではないだろうか。