2019.01.29
昨季の新人王ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)は、キャリア2シーズン目の今季、3ポイントを1本も放っていない。
にもかかわらず、平均33.3分のプレータイムで16.7得点9.5リバウンド8.2アシスト1.3スティールに加え、フィールドゴール成功率58.3パーセントという好成績を残している。
1月18日(現地時間17日)終了時点で、シクサーズは30勝16敗のイースタン・カンファレンス4位と好位置におり、3連勝と好調だ。
今回は、15日(同14日)に『HoopsHype』へ掲載されていたシモンズに関する記事の中からいくつかお届けしていきたい。
※データはすべて日本時間14日終了時点のもの
208センチ104キロの超大型ポイントガードは、3ポイントを放たない代わりに、リーグの誰よりもチームメートの3ポイントシュートを演出している。
3ポイントのアシスト数はリーグトップの152本を記録しており、2位のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)より9本も多い。
シモンズは1試合平均で3.53本の3ポイントをアシストしており、シクサーズの3ポイント成功数のうち、31.4パーセントを占める好数字。『Synergy Sports』によると、シモンズのアシストのうち、約半分にあたる43.1パーセントが3ポイントだという。
シクサーズの選手の中で、シモンズのパスから最も3ポイントを決めているのはベテランのJJ・レディック。レディックはここまで40本の長距離砲を沈めている。
だがシモンズのアシストの恩恵を最も受けているのはランドリー・シャメット。昨年のドラフト1巡目26位でシクサーズに指名されたルーキーのシャメットは、66投中35本の3ポイントを決めており、53.0パーセントという高確率を残している。17日(同16日)終了時点の成功率が38.5パーセントのため、シモンズのアシストはシャメットにとって貴重な得点源と言っていいだろう。
シモンズがコートにいる時間帯で、シクサーズのチームメートたちは35.3パーセントの成功率で、3ポイントを10.6本(48分換算)を成功。リーグ平均では35.4パーセントで11.0本決めているデータとなっている。
さらに、シモンズがレディックとシャメットと共にプレーしている時間帯で見ると、シクサーズの3ポイントは36.0パーセントの成功率で12.2本(48分間あたり)と、リーグ平均を上回っている。同条件でイーストの他チームを見てみても、この数字は4位にランクインしている。
つまり、シモンズは3ポイントを放たないものの、“3ポイントクリエーター”として機能しているということがわかる。シクサーズにはシモンズとジョエル・エンビードという、ペイントエリアにおける平均得点でリーグトップ10に入る選手を2人も擁していることが、シューターたちにとって3ポイントを放ちやすい環境を構築していると言っても過言ではない。
もっとも、今季を迎える前にシモンズは3ポイントをはじめとするアウトサイドシュートの練習にも時間を割いていた。今季はまだ強化中ながら、今後3ポイントを決めることができる選手へと成長していくことを目標としていることは明らかだ。
22歳のオールラウンダー、シモンズはユニークなプレースタイルでリーグにインパクトを与え続けていると言っていいだろう。
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