豊富なバリエーションで得点を量産したウェイドがヒートを勝利へと導く
4月10日(現地時間9日)。今季終了後にNBAから引退することを表明しているマイアミ・ヒートのドウェイン・ウェイドが、キャリア最後のホームゲームに臨んだ。
会場となったアメリカン・エアラインズ・アリーナには2万153人ものファンが駆け付け、ウェイドのキャリアをリスペクトするトリビュート・ビデオが流れた。「試合前に僕を泣かせようとしていたんじゃないかな。皆のことは大好きだよ」と『ESPN』へ語ったウェイドは、「この瞬間に感謝している。シーズンを通して、本当にありがたいと思ってるよ」と口にし、ヒートと会場に集まった大勢のファンへ感謝。
ヒートの一員として、レギュラーシーズンでは2016年4月11日(同10日)以来初となるスターターを務めたウェイドは、ゲーム序盤からレイアップ、ユーロステップからアシストを繰り出すと、その後も巧みなピボットやステップワークを駆使してフェイドアウェイジャンパーや技ありのフローターなどをヒット。3ポイントも飛び出し、この日のウェイドはファンが大歓声を送る中、すばらしいショーの主役に躍り出た。
ジョエル・エンビードとJJ・レディックを欠くシクサーズから大量リードを奪ったヒートは、最終スコア122-99で快勝。ウェイドは約35分出場してフィールドゴール23投中10本(うち3ポイントは10投中4本)、フリースロー6本すべてを決め切り、ゲームハイの30得点に3リバウンド3アシスト1ブロックをマーク。
ファンや家族、チームメートたちの前で感謝を述べたウェイド
試合後、スコアラーテーブルの上に立ち、「ここがウェイド・カウンティー(ウェイド郡)だ!」とシャウトしたウェイド。2万人を超えるファンと共に、最後のホームゲームにおける勝利を祝福。そして家族や友人、ヒートの関係者たちが見守る中、「愛しています」とコメント。そして「僕はこの街で最も感謝している人間です」と続けた。
その後、長男のザイアくんやガブリエル・ユニオン婦人といった家族とチームメートたちの前で、「この1年、僕と一緒にラストダンスを楽しんでくれてありがとう。辛抱強く耐えてくれてありがとう。皆がくれたたくさんの愛に感謝しています。そして僕のことをずっと応援してくれてありがとう。(チームメートの皆は)今後もずっと僕の兄弟であり続けるでしょう。愛しています」とウェイドが語った。
一昨季に故郷シカゴに本拠地を置くブルズでプレーしたウェイド。バラク・オバマ前大統領は「どんなに打ちひしがれても、どのようにして立ち直ってきたかを我々に示してくれた。君はシカゴ魂を見せつけてくれた」とウェイドのメンタリティーを絶賛。
ウェイドと同期入団のユドニス・ハズレムは「今、君はここで最後の時間を見事に支配してみせた。僕らは君に敬意を表したい。選手としての君は、七転び八起きのキャリアだった」と語り、ヒートの球団社長パット・ライリーは「たとえどんなことがあろうと関係ない。マイアミは今後もずっと君のことを誇りに思うだろう。ここはいつまでも、ウェイド・カウンティーなんだ」と感謝を述べた。
この日デトロイト・ピストンズがメンフィス・グリズリーズから大逆転勝利を挙げたことで、ヒートのプレーオフ出場への道は途絶えてしまったため、11日(同10日)のブルックリン・ネッツ戦が、ウェイドのラストゲームとなる。
将来のバスケットボール殿堂入りが確実なスーパースターのラストゲームも、ぜひとも目に焼き付けたい。