マジックが4Q中盤の17点差から3点差まで猛追するも、ラプターズが逃げ切り
4月20日(現地時間19日)、トロント・ラプターズ(1勝1敗)とオーランド・マジック(1勝1敗)によるファーストラウンド第3戦が、マジックのホーム、アムウェイ・センターで行われた。
2012年以来、初のプレーオフとなった会場には、満員御礼となる1万9,367人が詰めかけてマジックを応援するも、スタートダッシュに成功したのはアウェーのラプターズ。カイル・ラウリーの3ポイントを皮切りに、マルク・ガソルのジャンパー、パスカル・シアカムのレイアップと3ポイントで10-0と快調に飛ばす。
マジックは第1クォーター残り9分16秒にジョナサン・アイザックのダンクでようやく初得点を挙げるも、ダニー・グリーンの長距離砲やカワイ・レナードのダンクなどでラプターズが先行。5点差をつけて最初の12分間を終える。
第2クォーターに入り、ラプターズはベンチ陣の活躍でリードを2ケタに広げていく。するとマジックはアーロン・ゴードンのダンクやテレンス・ロスの3ポイントプレーなどで追い上げ、残り2分26秒にエバン・フォーニエのフリースロー2本が決まり、1点差まで詰め寄る。しかしシアカムとガソルの追加点でラプターズが3点をリードして試合を折り返す。
リードするラプターズを追う展開となったマジックは、最初の2戦から復調した大黒柱ニコラ・ブーチェビッチの活躍などで、第3クォーター残り6分37秒でようやくラプターズを捕らえて逆転。このクォーター中盤にリードが入れ替わるシーソーゲームを演じる。
だがラプターズはグリーン、レナード、シアカムが交互にショットを決め、残り1分36秒で15点差をつける。なんとか食らいつきたいマジックは、アイザックがフリースロー2本とダンクをたたき込み、11点差まで縮めて最終クォーターを迎える。
第4クォーター序盤。ラプターズはサージ・イバカの4連続得点で再び15点差をつけると、残り7分48秒にラウリーが3ポイントを突き刺してリードを17点まで広げた。
するとマジックは、ゴードンやロス、ブーチェビッチを中心にラプターズを猛追。残り42.4秒にロスの3ポイントで3点差まで詰め寄るも、残り12.9秒にレナードのフリースロー2本が決まって勝負あり。最終スコア98-93でラプターズがマジックを下し、シリーズを2勝1敗でリードした。
ラプターズではシアカムがゲームハイの30得点に11リバウンド4アシスト、レナードが16得点10リバウンド4アシスト、グリーンが13得点、ラウリーが12得点5リバウンド10アシストで勝利に貢献。試合後、シアカムは「僕はただ、相手チームのディフェンスの状況を見て対応しただけ」と謙虚に語ったものの、2008年にクリス・ボッシュ(元ラプターズほか)が残して以来、プレーオフで30得点10リバウンド以上を奪ったフランチャイズ史上2人目の選手に。
「信じられない活躍だった。彼はこのリーグで今季、最も躍進を遂げたバスケットボールプレーヤーだ」とラウリーが試合後に絶賛。ラプターズのリーダーがそう評したように、キャリア3年目のシアカムはこの日最もコート上で輝いていた。
また、ラプターズのニック・ナースHCは「肝の据わったパフォーマンスを見せてくれた」とエースのレナードについて称賛。プレーオフに入ってからもエースとして活躍を続けるレナードは、頼れる存在として印象的な活躍を続けている。
一方のマジックは、ブーチェビッチが22得点14リバウンド6アシスト3ブロック、ロスが5本の3ポイント成功を含む24得点と、このシリーズでベストなパフォーマンスを披露。さらにアイザックが14得点7リバウンド2スティール2ブロック、ゴードンが10得点7リバウンド7アシストを残すも、2連敗となった。
「またもや僕らのターンオーバーが致命傷となってしまった。僕らのミスが多すぎた」とブーチェビッチが明かしたように、マジックはこの日16ターンオーバーを記録。スティーブ・クリフォードHCも「今はまだ2勝1敗だ。3連敗というわけじゃない。だがハンドリングにおけるミスというのは、バスケットボールにおいて大きな部分を占める。特にプレーオフでは、より重要になってくるんだ」とターンオーバーを悔んだ。
シリーズ第4戦は、22日(同21日)に行われる。ラプターズがファーストラウンド突破に王手をかけるのか、それともマジックが2勝2敗のタイに引き戻すことができるのか。注目の一戦となるだろう。