サンダーとの第5戦前半に左肩負傷も、痛み止めの注射を打って後半も出場
オールスターガードのデイミアン・リラードが歴史的なディープスリーをブザービーターで放り込み、ポートランド・トレイルブレイザーズはオクラホマシティ・サンダーとのファーストラウンドを4勝1敗で突破した。
2016年以来初のカンファレンス・セミファイナル進出を決めたブレイザーズは、現在3勝3敗で並んでいるデンバー・ナゲッツとサンアントニオ・スパーズの勝者と次のラウンドで戦うこととなる。
サンダーとのシリーズで、ブレイザーズはリラード(平均33.0得点)とCJ・マッカラム(平均24.4得点)を筆頭に、エネス・カンター、モーリス・ハークレス、アル・ファルーク・アミヌと、スターター全員が平均2ケタ得点を記録した。
ところが、シリーズを決した第5戦の前半に先発センターを務めるカンターが左肩を脱臼していた。カンターはハーフタイムに痛み止めの注射を打ち、32分11秒プレーして13得点13リバウンド4アシストを挙げて勝利に貢献。
4月27日(現地時間26日)。ブレイザーズは練習を行い、カンターはそこでシューティングを行っていた。カンターは「ブレイザーズは(僕のケガについて)すごく大事にケアしてくれていると思う」と『ESPN』へ語ると、現状についてこう話した。
「でもね。僕は嘘を言うつもりはない、ものすごく痛いのは明らかだ。今はシャツを替えたり、食事するのも大変さ。でもそれが回復するためのプロセスなんだ。僕らは今、(復帰に向けて)日々取り組んでるんだ。今後どうなるか見てみなきゃね」。
ブレイザーズは3月末に先発センターのユスフ・ヌルキッチが左脚の脛骨と腓骨を骨折して戦線離脱。2月上旬にニックスを解雇され、同月中旬にブレイザーズと契約したカンターは、ヌルキッチの穴を埋める活躍を見せている。
チーム3番目の得点源、インサイドの要でもあるカンターは強行出場するのか?
211センチ113キロのカンターは、キャリア8年目の26歳。サンダーとのシリーズでは平均29.3分13.2得点10.2リバウンド2.0アシストを残しており、ブレイザーズがプレーオフを勝ち上がるためには不可欠な選手と言っていい。
現時点ではカンターがウエスト準決勝初戦に出場できるかどうかは未定。ただ、カンターがプレーできるかどうかを結論づけるには時期尚早だとテリー・ストッツHCは言う。
「(結論づけるには)まだ早すぎる。我々にとって良いことは、月曜日までプレーしないということ。だからその日まで決断する必要はないんだ。だから(カンターが)出場できるといいね」。
ナゲッツとスパーズによる第7戦が28日(同27日)に行われるため、ブレイザーズのウエスト準決勝のスタートは早くとも30日(同29日)となる。
チームトレーナーたちと共に回復に努めているカンターは「彼らはただの脱臼だと言っていた。通常なら復帰まで1か月くらいかかるものだ。でも僕にはそこまで時間がない。だから出場できるように回復へ向けて進めていく」という言葉を残した。
カンターがウエスト準決勝で強制的にプレーすることで、今後のキャリアを短くしてしまう恐れがあることは否定できない。とはいえ、ブレイザーズがウエスト決勝まで勝ち進むためには、この男の活躍が欠かせないというのが現状なだけに、プレータイムが短くとも、コートに勝つ可能性は十分ありそうだ。