鬼気迫るグリーンの奮闘劇
5月19日(現地時間18日)、ゴールデンステイト・ウォリアーズとポートランド・トレイルブレイザーズのプレーオフのウエスタン・カンファレンス・ファイナル第3戦が、ブレイザーズのホームであるモダ・センターにて行われた。
試合は前半、ブレイザーズがゲームを支配。2人のエースであるデイミアン・リラードとCJ・マッカラムが連続して3ポイントシュートを沈めると、チームディフェンスでウォリアーズのオフェンスのリズムを崩していった。
トランジションからクレイ・トンプソンが3ポイントを決める場面も見られたが、ブレイザーズはエースに加えてセス・カリーやロドニー・フッドらの活躍もあって、第2クォーターより点差が離れていく。だが、ウォリアーズはドレイモンド・グリーンが果敢にリムへアタックする姿を見せ、前半終了時にブザービーターとなるレイアップをねじ込んだ。
53-66で迎えた後半からはウォリアーズが追う展開となるが、グリーンの攻守においての積極性はさらに増していくことになる。組織的なディフェンスで相手のハンドラーに対し、高い位置でトラップをしかけてプレッシャーを与えると、ターンオーバーを誘発。さらにトランジションではグリーンがプッシュを続けて、速い展開とアウトナンバーを作り出した。また味方へのアシストも記録し、獅子奮迅の活躍はウォリアーズのバスケットをさらなるレベルへと引き上げた。
第3クォーターの終盤に逆転を許したブレイザーズは、最終クォーターで再びリードを奪おうと奮闘した。しかしリラードとマッカラムはウォリアーズのタフなディフェンスに苦しみ、思うようなバスケットができず苦戦。リラードが終盤に2本の3ポイントを沈めて食らいついたが、落ち着いてゲームをコントロールし続けたウォリアーズが最終的に110-99で勝利した。
シリーズを3勝0敗とし、王手をかけたウォリアーズ。カリーが36得点6リバウンド、グリーンが20得点13リバウンド12アシスト4スティール、トンプソンが19得点5リバウンド5アシスト、ケボン・ルーニーが8得点3リバウンドを記録。攻守の要としてけん引し、トリプルダブルを達成したグリーンが、試合終了後に以下のようにコメントを残した。
「アグレッシブに挑み、皆がハートを持って戦った。デュラントやカズンズがいない中で皆が立ち上がって戦う必要があった。カリーは今リズムに乗れている。彼がMVPの理由がある。彼が勢いに乗っているときは、彼がチーム全体の士気を高めてくれる」
大活躍を見せたグリーンに対し、ウォリアーズのスティーブ・カーHCも「ドレイモンドについては何と形容すればいいのだろう。あの大きな解体用の鉄球のようだった。すべてを破壊していったんだ…疲れているようには見えなかったね」と賞賛した。
敗れたブレイザーズ(0勝3敗)は、マッカラムが23得点5アシスト、リラードが19得点6リバウンド6アシスト、マイヤーズ・レナードが16得点4アシスト、エバン・ターナーが12得点を記録。第1戦から続いて3連敗となり、追い込まれる形となった。しかし次戦もホームでの戦いとなり、プレーオフをここまで勝ち上がってきた本来の力を示してくれることに期待したい。
両チームによる第4戦は、5月21日(同20日)に同じくモダ・センターにて行われる。