ウォリアーズに不可欠な選手として活躍するイグダーラがバスケットを続ける理由とは?

献身的な働きでウォリアーズを支えるイグダーラ[写真]=Getty Images

ファイナル第2戦で約3週間ぶりに決めた3ポイント2本が決定打に

 ゴールデンステイト・ウォリアーズへ加入して6シーズン目を迎えたアンドレ・イグダーラは、今季でキャリア15シーズン目。今年1月下旬に35歳を迎えた大ベテランである。

 ここ4シーズンで3度の優勝を勝ち取ったウォリアーズにおいて、イグダーラはスティーブ・カーHCも絶大な信頼を寄せるキープレーヤーの1人。今季はレギュラーシーズンで68試合(うち先発は13試合)に出場し、平均23.2分5.7得点3.7リバウンド3.2アシスト0.9スティール0.8ブロックと、オールラウンドな成績を残した。

 プレーオフに入るとさらにスタッツは上昇。トロント・ラプターズとのファイナル2戦を終えた時点で17試合(うち先発は11試合)に出場し、平均29.3分9.7得点4.6リバウンド4.2アシスト1.1スティール0.9ブロックと、見事な働きぶりを見せている。

 6月3日(現地時間2日)に行われたファイナル第2戦では、第3クォーター序盤にミドルレンジジャンパーと3ポイントをねじ込み、チームに好スタートをもたらすと、2点ビハインドで迎えた試合時間残り5.9秒には、決勝弾となる3ポイントを左45度付近から突き刺してみせた。

 もっとも、イグダーラは今年のプレーオフにおいて、万全なコンディションでプレーを続けてきたわけではない。

 ヒューストン・ロケッツとのウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦では左膝を痛める中、シリーズ第5、6戦に出場。ポートランド・トレイルブレイザーズとのウエスタン・カンファレンス・ファイナル第3戦で左ふくらはぎを痛めてしまい、シリーズ第4戦を欠場。

 ファイナル初戦の第4クォーターには左ふくらはぎのケガが悪化。第2戦の前半にはマルク・ガソル(ラプターズ)のスクリーンと衝突し、左足を押さえて痛みに苦しむシーンもあった。

 にもかかわらず、イグダーラは後半開始早々に追加点を挙げ、値千金の3ポイントをヒット。この試合では約28分間プレーし、2本の3ポイント成功を含む8得点に8リバウンド6アシスト1スティール1ブロックと勝利に大きく貢献している。

 ロケッツとのシリーズ第6戦で3ポイントを8投中5本成功させるなど計17得点を残したイグダーラだったが、ブレイザーズとのシリーズに出場した3戦は3ポイントが7投中成功はなし、ファイナル第1戦でも4本放った3ポイントがすべて空を切っていただけに、イグダーラは大事な場面で重要なショットを見事決め切った。

イグダーラはファイナル第2戦終盤にノーマークで決勝弾を決め切った[写真]=Getty Images

「僕がプレーする唯一の理由はステフのレガシーを守ること」と言及

 そんなイグダーラにとって、最大のモチベーションとなっているのは何なのか。その答えを4日(同3日)に現地メディア『The Athletic』へ掲載された記事の中でイグダーラ本人が語っていたので紹介したい。

 35歳のベテランを突き動かす最大の理由、それはウォリアーズのチームメート、ステフィン・カリーだという。

「ステフのことは好きだよ。彼はいいヤツなんだ。そばにいて本当にいい人間さ。それこそ、僕がバスケットボールをプレーする唯一の理由なんだ。僕がプレーする唯一の理由と言っていいね」とイグダーラは言う。

 先日、イグダーラはカリーのことをバスケットボールの歴史においてマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)に次いで2番目のベストプレーヤーだと現地メディアへ語っていた。イグダーラとしては、カリーがNBAのコートで残すレガシーを保持すべく、プレーすることがモチベーションになっているようだ。

「彼のようにすばらしい人間はこれまで見たことがない。だから僕は彼のレガシーを守るためなら何だってやってみせるさ」とカリーを大絶賛。

イグダーラ(左)はチームメートになって6年目のカリー(右)のためにプレーしていると明かした[写真]=Getty Images

 6日(同5日)に行われるシリーズ第3戦。ウォリアーズはホームのオラクル・アリーナで迎えるのだが、ケビン・デュラント(右ふくらはぎの肉離れ)とクレイ・トンプソン(左ハムストリングの張り)の出場は微妙で、ケボン・ルーニーは第2戦で鎖骨を骨折したことにより、無期限の離脱が発表されているため、万全の戦力とは言いがたい。

 それでも、イグダーラだけでなく、ショーン・リビングストンやクイン・クック、アンドリュー・ボーガット、ヨナス・ジェレブコといったベンチ陣が一丸となって、カリーら先発陣を支えていくことだろう。

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